平成30年2月定例議会 土木森林環境委員会

※第54号 契約締結の件

 渡 辺 長年の地元の悲願でありました南都留合同庁舎の移転、建てかえ工事がいよいよ始まるということで、地元としては大変喜ばしく思っております。以前から建物の老朽化、あるいは狭隘化等が指摘されている中で、今までの合同庁舎の中には、富士・東部林務環境事務所や、富士・東部農務事務所が入っていたわけなんですけれども、先ほど、都留クリニックというものが、新たにこの新合同庁舎の中に入るということを御説明いただきました。そこで改めて、新しい庁舎にはどのような部署が入るのかと、その都留クリニックとはどのようなものなのかについて、まずお伺いいたします。

 営繕課長 新しい合同庁舎に入る部署でございますが、現在、合同庁舎に入っております県民センター、それから、県民生活センター、林務環境事務所、農務事務所、それから、教育事務所、これらはそのまま移転いたします。これまで同様に出先事務所としての業務、それから、県民からの相談、パスポート受付業務などを引き続き行っていく予定でございます。
 これに加えて、新たに「心の発達総合支援センター都留クリニック」、約123平米ほどございますけれども、これは、現在の合同庁舎の横にある児童相談所の中に併設されているのですが、そちらを今度、新しい合同庁舎の中に面積を拡充して設けまして、心の問題などを抱えた子供たちの支援を行っていきます。

 渡 辺 ぜひ、郡内地域の子供たちの心のケアに資するような、立派なクリニックにしていただきたいと思います。それと、先ほど老朽化、狭隘化というお話をさせていただきましたが、この資料を見させていただきますと、大分近代的で新しく大きな合同庁舎になるということがわかるんですが、さまざまな部分もきっと改善されていると思います。まず初めに、今までの合同庁舎は、パスポート等の更新等もあり来庁者も結構多かったと思います。
 そんな中、特に駐車場が少ないというお話を地元の方から何件も受けましたので、新しくなるに当たって、今、現状のものからどの程度駐車場が増設されるのか。立体駐車場等も記載されておりますので大分ふえるとは思うんですけれども、一体、その辺の状況がどうなるのかお伺いいたします。

 営繕課長 駐車場の関係でございますが、まず敷地については、現在より減ってしまうのですけれども、その分、立体駐車場をつくったり、また、庁舎の敷地内以外にも駐車場用地を確保する中で、必要な台数を確保していくということでございます。
 まず、来庁者の方々の駐車場の確保についてでございますけれども、現在よりも2割程度、駐車区画数を増加させていくということで、現在は47台くらいですが、56台程度の区画については確保していこうと、今、計画しています。それから、先ほど申し上げたように、現在の庁舎につきましては、公用車と来庁者の駐車場、それに職員の駐車場もあるということで、非常にある意味、利用者の方にはわかりづらいところがありましたが、今回の移転に伴いまして、職員はほかの敷地に駐車することにいたしました。新しい庁舎については、公用車と来庁者の方のみということになりますので、来庁者の方にとってみれば、とめる場所が非常にわかりやすい形で利用していただけるのではないかと考えております。

 渡 辺 台数的には、47台から56台ということですけれども、今までは先ほど御説明があったように、職員の方の車や公用車等がとまっていたものを、今度は別のところにとめるということですので、ふやした区画、台数以上に、多分、地元の方々がとめるスペースが確保されると理解をいたしました。ぜひ、パスポートセンター等もありますので、郡内地域の人たちが使いやすい施設にしていただければと思います。
 続いて、そのほかに、新しい新庁舎になるに当たって、改善している点がありましたらお伺いいたします。

 営繕課長 新庁舎につきましては、今の点も含めまして地域の皆様が利用しやすい施設にすること、加えて、省エネルギー化を進める、あるいは防災拠点としての機能を整備するといったことが、今回、配慮した点でございます。現庁舎に比べてよくなっている点の主なものでございますけれども、まず、1点目といたしましては、バリアフリーへの対応ということで、山梨県障害者福祉協会などとの意見交換も踏まえた中で、身障者対応エレベーター、オストメイト機能のある多目的トイレ、それから、パスポート受付窓口の車椅子用のカウンター等の設備を、今回、設けることとしております。
 それから、省エネルギーへの対応ということでございますが、今回、冷暖房用に地中熱を利用することにしています。それから、太陽光発電やLED照明。それから、冷暖房の効率を高めるために日射の遮断が有効になるわけですが、そのために、今回、ひさしの出を深くしまして日射の遮断をするということ、それから、窓に断熱複層ガラスを採用しています。
 また、地域防災の拠点といたしまして、県庁の防災新館と同等の耐震性能を確保したということ。それから、災害対策地方連絡本部が設営された場合に必要となる大会議室を整備すること。この辺が現在の庁舎に比べてレベルアップ、機能アップしているところでございます。

 渡 辺 近代的な設備が備わって、かつ富士・東部地域の、特に都留市・西桂町等の防災の拠点ともなろうかと思いますので、できる限り早い完成を地元としても望むところですが、まだ、これは本体工事で、これを見ますと、今後、別途工事で附属棟、立体駐車場棟、また全体的な作業の外構工事等あると思うんですけれども、最後に、この合同庁舎の今後の整備スケジュールについてお伺いいたします。

 営繕課長 今回、お諮りしております建物につきましては、平成31年3月完成を目指すものでございますが、それ以外の附属棟、それから、立体駐車場、外構、舗装、植栽につきましては、平成30年度以降に順次工事を発注いたしまして、来年7月までには全ての工事を終えていきたいと考えております。
 さらに、私どもの所管ではございませんが、防災局のほうで並行して防災行政無線の設置工事も行われる予定でございまして、そちらなども含めて合同庁舎の供用開始は、来年の夏ごろという計画でございます。

やまなし建設産業活性化支援対策費について

 渡 辺 県土の7ページ、建設業対策室の2つ目の丸、やまなし建設産業活性化支援対策費について、何点かお伺いしていきたいと思います。建設業は、御承知のとおり、ここにもあるように重点計画等に沿って県土のインフラ整備を行っていくのみならず、いざ災害が起きたときには、瓦れきの撤去等、また災害で傷ついたインフラ等の復旧等、まさにこの県になくてはならない基幹主要産業だと考えております。しかしながら、最盛期に比べて公共工事が大きく減少したことも背景にある中で、昨今、各業者の経営が悪化する等や、またそれに伴って担い手の確保が喫緊の課題となっており、さらに今後の情報化施工に向けて、ICTやIoTにも対応していかなきゃならないという中で、今、建設業は斜陽の産業と言われているとも聞きます。

 その中で、県に対してさまざまな支援をしていただきたいと考えているわけなんですけども、今回ここでマル新、明日の建設産業を考える山梨会議開催費というものが新規事業として記載されております。まず初めに、そもそも、これを新規事業として行うに至った背景と、その目的、狙い等について、詳しくお伺いいたします。

 建設業対策室長 今、委員のほうから建設業の課題ということで、担い手確保というようなこと、あとICTへの対応が必要だというお話もございました。この背景、この明日の建設産業を考える山梨会議開催の背景、目的についての御質問でございますけれども、まず、この背景といたしましては、現在、国とか、労働界、産業界におきまして、働き方改革というものの実現への取り組みを進めているところでございまして、建設業の中でも担い手の確保、あるいは長時間労働の是正、週休2日の推進というようなものが課題となっております。こういう課題につきまして、建設業におきましても、この働き方改革を進めていかなきゃならないという状況にございます。
 また、先ほどもお話にありましたように、建設業におきまして生産性の向上というためには、ICT、IoTなどの新技術への導入への対応というものが本質的な課題となっております。こういう対応を進めていく必要性があると考えております。
 さらに建設業は、先ほどもお話がございましたが、防災・減災対策あるいはインフラの老朽化対策ということで担い手、地域の守り手といたしまして重要な役割を担っていると考えておりますが、こうした点につきましても広く周知をしていく必要があると考えておりまして、情報発信を強めていかなきゃならないということが重要であると考えているところでございます。こうしたさまざまな課題等がございまして、この課題への取り組みにつきまして、今後、建設業のあり方をどうするのかということを、幅広い分野の方々の参画をお願いしまして検討いただき、御提言をいただきまして、それを県、業界団体、事業者などが連携をいたしまして、施策の推進に生かしていくということを目的といたしているところでございます。

 渡 辺 さまざまな課題があって、その課題について検討していただきたいとは思っているんですけれども、先ほど説明の中で幅広い分野というような言葉も出てきました。一口に建設業と言っても、建築もあったり、土木もあったり、電気もあったり、設備もあったり等、さまざまな分野もありますし、それに伴って材料を購入したりだとか、建設業に伴う産業というのは本当に幅広くなっていると思います。その中で、幅広い分野から委員になっていただいて御意見をいただくということなんですけれども、具体的に、その幅広い分野って、どんな分野になるのか、次にお伺いいたします。

 建設業対策室長 今回、この委員会、会議の委員ということでございますけれども、建設業界のみならず、地域振興だとか教育界、人材確保等の関係がございますので、教育界、あるいは企業振興という意味もございますので、経済、産業界等の有識者等に加えまして、情報発信というようなこともございますので、メディア関係の有識者、あるいはICTだとか情報通信、あるいは人材をどういうふうに育成していくかということもございますので、人材育成などの専門家等を想定しておりまして、これに国等の関係する行政機関等に参画していただくようなことを一応、想定をしておるところでございます。

 渡 辺 ぜひとも今後、建設業が抱えるさまざまな課題について、さまざまな観点から、さまざまな分野の方に幅広い意見を伺って検討していっていただいて、建設業の活性化に資する施策を進めていっていただきたいと、そのように思っております。
 その中で、私が建設業の支援の中で、特に今問題となっているのが、さきの12月の定例会でも一般質問させていただきましたけれども、担い手の確保というものが、やはり一番重要になってくるのかなと考えております。建設業自体は、幾ら重機や機械等の設備があっても、それを実際に施工管理、あるいはオペレーターとしての人材がいなければ、やはり、さまざまなものに対応していけないという中で、私が伺っているのは、公共工事の減少に伴って、建設業に就業している数がだんだん減ってきているということをお聞きしておりますし、また若年層が特に減少してきているというような話もお伺いしております。
 そこで、まず次の質問に入る前に、前提として、建設業の就業者の現状について、お伺いいたしたいと思います。

 建設業対策室長 建設業の就業者数という御質問をいただきましたけれども。5年に一度、国のほうで実施しております国勢調査、直近の国勢調査が平成27年でございますけれども、平成27年の国勢調査によりますと、本県の建設業における就業者数は3万2,301人となっておりまして、10年前の平成17年の就業者数が4万1,520人ということで、それに比べますと22.2%の減少。さらに、その10年前、平成7年の5万1,331人に比べまして37.1%の減少という状況になっております。
 また、平成27年の国勢調査の際の年齢構成のデータでございますけれども、建設業は55歳以上が38.5%を占めておりまして、一方で29歳以下が8.9%という状況になってございます。建設業を含めた全産業の平均が55歳以上で35.2%となっております。29歳以下は13.4%という状況でございまして、全産業に比べますと、建設業については、55歳以上で3.3ポイントほど高いと。片や29歳以下ですと、4.5ポイントほど低いという状況がございまして、高齢化と若年者の減少といいますか、割合の低さというようなことが進んでいる状況になっております。

 渡 辺 就業者数が年々3割、そして2割減ってきているということも大変ゆゆしき問題だと思っておりますけど。特に現状55歳以上が約4割近くで、29歳以下の、まさに今後を担う若年者の就業者が10%以下というのは大変深刻だなという率直な思いなんですけど、まさにこれに対応していくのは、建設産業の重要性を考えて喫緊の課題だと思っております。また、他産業と比べても著しく差があるというようなことも、やっぱり今後、県としても、いろいろな対応をしていっていただきたいなと思うところでもあります。
 そんな中で、ここに県土の7ページの中にあります、建設業若年技能者人材育成促進事業費補助金というものが記載されておりまして、御説明の中で、建設業協会のほうに補助していくということなんですけれども、まず、この補助金の目的について、お伺いいたします。

 建設業対策室長 建設業若年技能者人材育成促進事業費補助金の目的、狙いということでございますけれども、先ほど委員のほうからもお話がありましたけれども、建設業では、他の産業に比べて若年層が比率が低いという状況がございます。その要因の一つといたしまして考えられるのが、離職率が高いということが言われます。この若年層、若者の定着をいかに図っていくかということが、そういう取り組みが重要になってくると考えているところでございます。
 こうした観点から、建設業協会では、35歳未満の若年技能労働者を対象に研修会を開催いたしまして、建設現場で必要となる技術、技能を習得をしてもらい、早期に現場に適応できるように育成をいたしまして、また技能、技術習得によりまして、御本人のキャリアアップにつながる、つなげるということによりまして、建設業からの離職を減少させ、定着を促進していくということを狙いにしております。県といたしましても、こうした取り組みに対して支援をしていこうということでございます。

 渡 辺 まさに29歳以下が9%しかいない中で、今後10年先、20年先、本当にどうなってしまうんだろうという危機感を抱いていますけれども、特に、この若年者層に定着してもらって、次代の建設業を担っていっていただきたい中で、ぜひ積極的に資格等の取得等を支援していただきたいんですけれども。先ほど研修会を開催していくという話なんですが、具体的にどのような内容になっているのか、お伺いします。

 建設業対策室長 具体的な研修の内容でございます。講習の内容でございますが、35歳未満の若年層を対象にいたしまして、クレーンに物をかけ外しする玉がけですとか、不整地運搬車、小型移動式クレーン、あるいは高所作業車の運転、油圧ショベル、ブルドーザーなどの車両系の建設機械の運転など、こういった建設現場で求められる技術、技能を習得するための技術講習を行うものでございます。

 渡 辺 若年者で資格もなければ多分、現場で本当に補助的な単純作業しかできないという中で、燃え尽きて離職してしまうということもあろうかと思います。そんな中で、さまざま資格、特に玉がけだとか、不整地運搬、高所作業車、車両系建設機械等、さまざまな資格を取得することによって、仕事にやりがいというものを持っていただいて、若年者に定着していっていただいて、建設業を担っていただきたいと、そんなふうに思いますので、ぜひとも県としても引き続きの支援をお願いしたいと思うところであります。
 次に、その下に、これも多分、若年者を含めてのことだと思いますけれども、未来を支える建設業就業促進事業費というものが記載されております。こちらのほうの狙いというものは、どういったものになるんでしょうか。

 建設業対策室長 未来を支える建設業就業促進事業の狙いという御質問をいただきましたけれども、御指摘のとおり若年層、若者を対象にするものでございます。建設業を持続させて次世代へつなげていくということが必要でございます。そのためには、未来の建設業を支える若年労働者の確保ということが必要になってくるわけでございます。このため本事業では、高校生等を対象にいたしまして、インターンシップを行いまして、実際に建設業に従事してもらい、建設業を理解してもらう環境を整えるということとあわせまして、在学中の高校生を対象に、建設業に関連する資格取得の講習を開催しまして、その資格取得を促進することによりまして、在学中から建設業を就職先の候補といたしまして意識していただき、県内建設業への就労、就業促進を図っていくことを狙いとしているところでございます。

 渡 辺 高校生に在学中に資格等の、多分2級土木ですとか2級建築だとかというようなことだと思うんですけれども、そういったものを取得していただいて、かつインターン等で、本当に会社に行っていただいて、その現場を見ていただいて、高校生の就職のミスマッチ等を防いでいくということを、ぜひ、この事業を通じてやっていっていただきたいと、そんなふうに思うんですけれども。具体的に、どういった内容なのかについて、次にお伺いします。

 建設業対策室長 内容についてでございます。今、委員のほうから2級というようなお言葉もございました。そのとおりでございまして、建設工事の適正な施工を確保するために、建設業者は一定の資格を有する技術者を工事現場に配置するという必要がございます。その資格を取得できる2級土木建築施工管理技術検定試験というのが高校2年生から受検ができるようになっておりまして、その高校2年生等を対象にいたしまして、検定試験に合格するための講習会というものを開催する内容でございます。高校2年生の段階から資格取得を促すことによりまして、建設業界への就業の動機づけが強く図られるのではないかと考えているところでございます。

 渡 辺 ぜひ、高校2年生から受けられるということは、早く試験を受けて、仮にだめでも、例えば3年生のときにもう1回受けるとかということでやっていっていただいて、先ほどもちょっと私も述べさせてもらいましたけど、建設業は資格がなければ、現場の代理人にもなれませんし、主任技術者にもなれませんし、ひいてはその後の1級への資格も取ることもできませんし、早く資格を得て、その仕事に対するやりがいというものを高校生、若年者に持っていただいて、離職を防いでいくというのは大変大切になっていくと、そのように思っております。
 いろいろな若年者の就職の定着だとか、就職の促進だとかということをお聞きしてきましたけれども、最後に、そのようなことを踏まえて、担い手対策も踏まえて、あるいは建設業の抱える問題等も踏まえて今後、山梨県のこの建設産業の活性化に対して、どのように取り組んでいくのか、まとめてお伺いをいたしたいと思います。

 建設業対策室長 委員の今のお話のとおりでございまして、建設業は本県にとって社会資本整備だとか災害復旧の担い手ということで、県土づくりにはなくてはならない不可欠な産業であると承知をしておるところでございます。もちろん地域の守り手という重要な役割を担っておりますので、当然不可欠と考えておるところでございます。さまざまな課題等がございますが、こういう課題に対しまして、例えば今後、その担い手の確保、育成等々につきまして、関係機関あるいは関係団体等と連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。

急傾斜地崩壊対策事業施行に伴う市町村負担について

 渡 辺 この7ページを見ると、その趣旨のところに、経費の一部を受益市町村に負担させる必要があるということで、昨今、市町村も財政的に厳しい中で、このそもそもの急傾斜地が崩壊しそうで、災害等の危険があるということで、整備していかなきゃならないということ。確かに受益者は特定されるのかもしれないですけれども、住民の生命を守るためにやっていくということでありますので、市町村でなくて、例えば国補を入れて県でやっていくという考え方もあると思うんですけれども。
 7ページの参考事例見ると、根拠法令が地方財政法27条ということで、次の8ページ見ますと、もう一つのほうが急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律で、23条の中で個人に負担を求めることもできるというような根拠法令もあるわけなんですけれども、そもそも財政的に厳しい状況にある市町村が、特に山を抱えるところですね。村ですとか、小さい村とかもありますので、そこに、この負担を求める理由といいますか、詳細な理由の説明をお願いいたします。

 砂防課長 市町村に負担金を求める詳細な理由について御説明いたします。急傾斜地の崩壊対策事業ですが、この事業は地域住民の人家、人命を守るとともに、事業を実施する区域内の道路や公民館、こういった各種公共施設をあわせて保全するものであります。このため当事業は地域のまちづくりとか地域づくり、こういうものに密接に関係しておりまして、関係する市町村が当事業により利益を受けていることに対しての御理解を各市町村からいただいているということから、整備事業費の一部について受益者負担金として市町村から応分の負担をいただいているものでございます。

 渡 辺 あくまで、その市町村の御理解を得る中で行っているということですけれども、例えば極端な話を言えば、この急傾斜地の崩壊による災害防止に関する法律第23条によって個人に求めることも可能ではあるし、そもそも地方財政法27条の語尾の部分も、負担させることができるという書き方でございますので、県や国でやるということも多分できると制度上なっていると思うんですけれど。本県は市町村理解を得て、市町村に負担金を約2割を上限としていただくということでありますけれども、全国的には、他県の状況というのは一体どういう状況になっているんでしょうか。

 砂防課長 当事業に伴います負担金徴収の全国的な状況についてであります。約9割に当たります都道府県、これも市町村から負担金をいただいているという状況になります。具体的な内訳ですけれども、全国の47都道府県のうち、市町村から負担をいただいているところが42、あと都道府県が負担しているところが4、あと各受益者からの応分の負担をいただいているところが1という状況でございます。以上でございます。

 渡 辺 47都道府県中42の都道府県、約9割ぐらいは本県と同じように市町村から求めているということで、そのうちの1都道府県が個人からも負担金をいただいているということで、ちょっとびっくりをしたんですけれども。結構大きな事業になる中で個人から、最大20%とはいえ、負担金を求めるのは結構大変だなと思うんですけれども、それは本県には関係ないので、いいとしまして。
 その中で、全国的に見ても一般的に市町村に求めている県が多いということでございますので、最後に、この急傾斜地崩壊対策事業、30年度の、16市町村が受益市町村と書かれていますけれども、何カ所あって、総額で幾らぐらいの事業になって、市町村からの負担金は、そのうち幾らぐらいになるのか、最後にお伺いします。

 砂防課長 平成30年度の市町村負担金でございますけれども、16の市町村におきまして、49カ所で事業を実施する予定でおります。内訳としましては、国庫補助事業が38、県単独事業が11、合計49カ所でございます。この49カ所に係る事業費の総額ですけれども、現在、約9億5,000万円を予定しておりまして、それに対しての受益者負担金としまして、約6,300万円余りの市町村負担金を予定しております。この6,300万円は、事業費の比率でいきますと、約7%相当ということになります。以上でございます。

河川の維持管理について

 渡 辺 所管事項ということで、河川の維持管理における地域との連携について何点かお伺いしたいと思います。さきの12月議会において、河川内の支障木の伐採だとか、しゅんせつの補正予算が成立して、早いところでは、もうその工事が実施されているところもあり、私の地元の富士吉田市でも、宮川というところで一部実施されました。そのおかげといいますか、それもありまして、3月7日の山日新聞ですね、38年ぶりに雪代という、富士北麓地区特有の土石流、雪と泥まじりの土石流が発生したと。これは昨今、気温が高くなりまして、雪ではなくて大雨が降った関係で、富士山に積もっていた雪が一気に解け出して、土を巻き込んで、下の町のほうまで流れ込んできてしまったということがあるんですけれども。伐採やしゅんせつ等もしていただいた結果、大きな被害等も発生せず済みまして、大変ありがたく思っているんですけれども。まだまだ私の地元だけでもしゅんせつ等しなければならない箇所が多数ある中で、今後数年をかけて整備していかれるということで、ぜひとも1日も早い整備を進めていただきたいと、そんなふうに思っております。
 また、今までもそうだったんですが、一度整備していただいたところも、来年の夏になれば、また雑草もぐっと生えてきて、それをまた放置すれば木のようになってしまうと。そして、こういった災害があったときに支障が出て、最悪の場合、被害とかも出てしまうという中で、定期的に今と同じような状況を維持していかなければならないというような中で、やはり県も予算も限られている中で、地元の市町村だとか自治体にも協力していただかなきゃならないというようなことを、さきの12月議会の委員会の所管の中でお願いさせていただいたんですけれども。その折に、地元の市町村だとか、地元の自治会の方々と、具体的な協力について協議を行っているというような答弁がありまして、その後どうなったのかについて、まずお伺いしたいと思います。

 治水課長 具体的な河川名は控えさせていただきますけれども、この以前から地域が非常に草刈り等を熱心にやっていただいております河川がございまして、町に協力をいただきまして、出先の建設事務所、それから地元の区との間で、特に役割分担という点で、ずっと協議を続けてまいりまして、現時点でほぼ協議は調ったということで、年度内には維持管理協定を締結いたしまして、来年度から、この連携の協定に基づいて、ここの河川の維持管理に取り組んでまいりたいと考えております。

 渡 辺 そういった地域があると。年度末までに維持協定が結ばれる予定になっているということで、それが全県的に波及していってくれればなと、そんなふうに思っているんですけども。やっぱり、県も限られた予算の中で、毎年毎年同じような箇所に同じように予算をつけるということもできないと思いますので、そうなってくると、地元の市町村だとか、地元の自治会だとかの定期的な手入れの協力が不可欠だと思うんですけど。そうはいっても、1級河川の維持管理にかかわることは、地域の住民は県の役割だと認識している部分もあると思いますので、その中で、私はぜひ県がリーダーシップといいますか、主体的になって今後取り組んでいっていただきたいと思うんですけれども、1個そういう地域で事例があるという中で、県の果たすべき役割について、もう一度お伺いいたします。

 治水課長 県といたしましては、この維持管理協定を一つのモデルといたしまして、広く市町村に情報提供、またPRを積極的に行っていきまして、ほかにも草刈り等を地域で一生懸命やっていただいているところがあろうかと思います。それぞれの地域の実情に応じた形で連携を模索しながら、積極的にこの連携というものを拡大してまいりたいと思っておりますし、また地域の住民の方だけではなくて、民間の企業の方とか、各種団体の方なども一緒になって、連携を新たに模索をしていきたいとも考えてございます。

 渡 辺 地域の人たちの協力も不可欠なことは仕方がないことなんです。ただ、地域が、地域性が薄らいできて、自分たちで近くの川を管理していこうという意識は、昔に比べ低下してきて。昔であれば、年に何回か下草刈りみたいな形でやっていたところもあろうかと思うんですが、最近は、それも途絶えてしまっているところも多くなってきていますので、ぜひ、そういった意識啓発も含めて、また県の実情なんかも説明する中で、そういった協力を仰いでいっていただいて、その取り組みが全県的に普及していっていただいて、その河川の管理なんかが進んでいけばと思っているんですけれども。
 これはすごく細かい話になってしまうんですけれども。この雪代が発生した宮川も、やっぱりこういうことがあったので、自分たちで少し管理というか、下草刈りなんかしたいなという意見もあるんですけれども。ただ、結構高低差がありまして、一般の方は、まず河川までおりていけないんですね。その中で、自前ではしご等を持ってきて、立てかけて、下までおりていかなきゃならないだとかということもあったりしますので、そういった部分は県にお願いすれば、そういったステップみたいなものとか、場所によってはスロープみたいな形でおりれるような形になるのか。状況に応じて、そういったことはやっていただけるのかどうか、最後にお伺いします。

 治水課長 実際に地域で草刈りなんかを実施していただいている河川につきましては、交通時の支障にならない範囲で昇降のステップ等を設置している事例がございますので、要望いただければ、現地を確認する中で検討させていただきたいと思います。

治山費について

 渡 辺 森の39ページの真ん中、6の治山費についてお伺いしたいと思います。まず、さきの2月補正で、国の補正予算を活用して、流木による被害の発生などを踏まえた、さらなる山地災害対策の予算が議決されたわけではありますけれども、まだまだ県内、さまざまなところで治山工事が必要な箇所も多数あります。そんな中で、本年度も当初予算として治山費を記載されているとは思いますけれども、前提として、そもそも国庫補助事業による治山工事というものは、どこまで対応していけるものなのかについて、前提としてお伺いいたします。

 治山林道課長 ただいまの御質問にお答えをいたします。課別説明書、森の39の中段から40ページの地すべり防止費までが国庫補助治山事業のメニューでございますが、そういった中で、国庫補助事業採択について多岐にわたるものがありますが、森の39ページの復旧治山費が代表的な対策でございますので、それにつきまして、復旧治山事業におきましては、守られる人家戸数が10戸以上、それから金額ですと、全体の計画金額が7,000万円以上というようなことが、国庫補助事業の採択要件の一つとなっております。

 渡 辺 主なるもので復旧治山費の中で、先ほどの説明と国の採択基準があるということで、幾つかあるんでしょうけど、今、代表的なもので、人家10戸以上、全体で7,000万円以上の計画という中で、ほかにも条件はあるんでしょうけれども、そういった条件に漏れてしまったと。人家が10戸未満、あるいは全体で7,000万未満というようなことは多分、森の40ページのこちらのほう、小規模治山事業費として県単独事業で対応されていくということだと理解しておりますけれども、本県は山岳県で、当然、山地に集落が点在するような県でございますので、小規模とはいいながらも、きめ細かい治山工事という対応が必要になってくると、そのように考えております。
 そんな中で、先ほど概要説明の中で、県単独なんですけれども、明年度以降は市町村に補助をしていくというような説明がありましたけれども、そういうふうに至った経緯、明年度以降、市町村に補助するに至った経緯ですとか、国補と同じように多分、採択要件等もあると思いますので、その採択要件はいかなるものなのかについて、次にお伺いいたします。

 治山林道課長 ただいまの御質問にお答えします。これまで国庫補助の採択のできないものについては、県が小規模治山事業として実施をしていたわけですけれども、県と市町村との役割分担ということの中で、守られると想定される人家が5戸未満の小規模な治山対策については市町村に行っていただくということとしていたわけです。委員おっしゃいましたとおり、山間地に集落が多く点在をしているということもありまして、対策すべきところ、非常に市町村においても数が多いということがございまして、そういった中で、市町村も財政的に苦しいという部分、それから先ほど申し上げました過疎化の進行で、市町村独自の対策必要箇所が増加しているという実態があるものですから、そういった中で市町村への助成措置について強い要望がありました。こうしたことから、地域の安全・安心の確保のために、明年度から、守られると想定される人家が2戸以上の箇所等につきまして、市町村が実施する治山対策につきまして助成を行うとしたものでございます。

 渡 辺 今まで人家5戸未満のものについては市町村に任せていた経緯がある中で、それでも、やっぱり財政的に厳しい市町村も多数あると思いますので、県として、明年度から、それを補助していくということなんですけれども。ただ、県が補助する以上は、その市町村に任せる部分であっても、しっかりと県と同じレベルで治山工事をしていただかなくてはならないと考えております。そんな中で、やはり技術職員が県に比べまして市町村は少ない。そして支出的にも、やっぱり、どうしても劣ってしまうというような事情があると思います。しかしながら、県と同レベルの施工管理の監督をしていかなければならないという中で、やっぱり各市町村に対して、技術的なフォローだとか投資等も必要だと考えているんですけれども、そういった対応はとられる予定はあるんですか。

 治山林道課長 ただいまの御質問にお答えします。新たに市町村に助成をすることにいたしましたので、助成をするための補助金交付要綱等々を定める予定でございまして、その要綱で事務手続上ももちろんありますけれども、市町村と綿密に連携をしないと、なかなか事務が進まないという部分もありますので、市町村の要望をよくお聞きして、その計画段階から県の職員が入りまして、計画段階、それから設計、実行段階におきましても、市町村と綿密に連携をとりながら、効果的な対策になるように努めてまいりたいと考えております。

山梨県ごみ処理広域化計画について

 渡 辺 次山梨県ごみ処理広域化計画について、お伺いしたいと思います。今の御説明にありましたように、現計画が10年、平成30年3月で終了することによって新たな計画を策定されるということですけれども。それで、Cブロックについては集約が完了ということで、ただAブロックについても市町村の合意が得られて集約化に向けて具体的に歩み出しているという御説明でしたけれども。私の地元の富士・東部地域、Bブロックについてなんですけれども、今、現計画においても、4施設あったものを2施設に10年かけてしていこうという計画だったはずですけれども、やはり現状、変わらず4施設のままであると。今後は、15年かけて、15年後には、その今の4施設を1施設に集約していくという話なんですけれども、なかなかCブロックとAブロックに比べて、Bブロックについては具体的な内容が見えてこないんですけれども、一体そのBブロックは今どういう状況にあるのか、まずお伺いします。

 環境整備課長 今回の広域化計画の見直しに当たりまして、本年度当初からAブロック、Bブロック、それぞれの枠組みの中で、市町村の担当課長等による協議、検討を重ねてきたところでございます。ただいま御質問いただきましたBブロックにつきましても、基本的には広域化については賛成というような形と各市町村が考えていると認識をしておりまして、現在、1施設集約化についても選択肢の一つとして市町村間の協議が行われているという状況でございます。県といたしましては、長期的な視点に立ちまして、できるだけ幅広い枠組みを目指すことが重要であると考えておりまして、今回の計画案ではBブロックについても施設集約という形で目標を作成させていただいたところでございます。

 渡 辺 Bブロックについても市町村間の協議が行われていて、基本的には集約化には市町村は、その方向については同意していてくれているということなんですけれども。ただ、具体的にどのように集約していくかというのは、まだ不透明なところがあるという中で、この資料にも太字の部分ですね。集約化に伴うメリットは幾つか書かれて、例えばコストの削減だとか、ダイオキシン類の削減だとかということは書かれていて、まさに集約化にこれだけのメリットがあるんだということは、これでわかるんですけれども。ただ、その集約化がBブロックについてなかなか進んでいかないものの原因というものは、やっぱり何かデメリットがあるんじゃないかと。何か集約化に向けて歩んでいく、基本的には合意しているものが具体的になっていかないということは、何か阻害する要因があるのではないかと私は思うんですけれども。
 それは1つに思うには、集約化に伴って、ごみの運搬距離が長くなるということもあって大変になるということが1つと、またそれに伴って、スケールメリットを生かしたコストの削減よりもコストが実はかかるんじゃないかというような不安があったりだとか、そんなことが考えられ_るんですけれども、県として、この広域化に伴うメリットはわかりますけど、何かデメリット、課題等については、どのように考えられているのか、次にお伺いします。

 環境整備課長 今回の計画の見直し案におきましては、メリットについては、ただいま、この概要の資料にも記載をさせていただいておりますが、こういった具体化するに当たっての検討課題という形で、計画の冊子の中では再整理をさせていただいておりまして、ただいま委員から御指摘のございました運搬距離でありますとか、ごみの分別区分の統一化といった点を挙げて、そうした課題につきまして計画を具体化する中で、市町村間の協議により解決を図っていくということとしております。
 このうち運搬距離についてでございますけれども、やはり新たな施設との距離が遠くなるというような場合には、その運搬コストの増加を心配される市町村が多うございまして、やはり、そこのところがトータルとしてどうなのかというところが、市町村の皆さんが御心配されているところでございます。この計画案の中では、例えば、その中間地点に中継施設等を設置、整備することによりまして、効率的な収集運搬方法を検討するというようなことを例示として掲載をしておりまして、こういったことを参考としながら協議をしていただくということになるわけですが、県としても、各市町村のニーズを踏まえまして、さまざま情報提供を行うことによりまして、課題の解決に取り組んでまいりたいと考えております。

 渡 辺 さまざまな集約の意味でも課題がある中で、県としてはBブロックの集約を完了させて、Aブロックも具体的に方向づけたという実績もございますので、その市町村の先ほどニーズを把握してというような話もありましたけれども、ニーズを把握して、その対応策なんかもアドバイスして、私としても、Bブロックも将来的には一施設に集約していくことが望ましいと考えておりますので、ぜひ大きく前進、この15年計画の中で、できるだけ早く前進できるような対応をしていっていただきたいと、そのように思うんですけれども。やっぱり市町村間それぞれ考え方もあったり、料金も異なったりしているので、県に積極的にかかわっていただいて、むしろリーダーシップをとっていっていただかなければならないと、そのように考えているんですけれども、最後に県の所見をお伺いいたします。

 環境整備課長 ごみ処理につきましては、これは市町村の事務ということですので、最終的に施設をどのような形で整備するか、ごみ処理をどのような形でするかということについては、市町村がお決めいただくことになるわけですが、やはり広域化ということを進めるに当たりましては、Aロック、Bブロックとも、かなり市町村数が多うございますので、それぞれ事情ですとか考え方もまちまちというところがありますので、これをいかに調整していくかということが重要になると考えております。
 これまで市町村と協議、検討を重ねてきておりますけれども、各市町村からは、県がリーダーシップを発揮して調整機能を果たしてもらいたいということで強く求められているところでもありますので、県といたしましては、各ブロックにおける市町村の状況でありますとか考え方を十分お聞きする中で、市町村間の調整を図りまして、集約化が円滑に進むようにということで、最大限努力してまいりたいと考えているところでございます。