平成29年6月定例議会 土木森林環境員会

相模川、多摩川流域における減災対策協議会について

 渡 辺 本年6月2日の山梨日日新聞におきまして、減災への情報提供というような見出しで、県と富士・東部の14市町村とで、相模川、多摩川流域における減災対策協議会が設置されて、6月8日に第1回の協議会が開催されたとの記事が掲載されたわけなんですけれども、この協議会というのは具体的にどのようなものなのか、まずお伺いいたします。

 治水課長 この協議会につきましては、一昨年の関東・東北豪雨災害及び昨年の北海道、東北地方での大規模な豪雨災害を踏まえまして、全ての地域において水防災に対する取り組みを推進するよう国から助言を受けて設置をしたものでございます。
 河川管理者の山梨県――富士・東部建設事務所になりますけれども――と流域の14市町村等が避難や水防活動などを中心に地域の取り組み方針を取りまとめるために設置をしたものでございます。

 渡 辺 地域の防災などを取りまとめるという水害対策のソフト面の対策を、この協議会で協議していくというお話なんですけれども。ソフト面での対策というのも大変大切だと思いますが、ともに、やはりハード面の対策も非常に重要になってくるかと思います。
 私も地元から、例えば護岸の整備ですとか、河川維持の管理にかかわる要望も多数受けているわけなんですけれども、こういったハード面についての対策についても、この協議会で協議されていかれるのか、次にお伺いいたします。

 治水課長  国におきましては、水防災に関する減災の基本的な考え方を、施設では守り切れない大洪水は必ず発生する、と意識を変えまして、社会全体でこの洪水氾濫に備える必要があるとしております。
 今回の協議会におきましては、この方針を踏まえまして、まずは現状の水害リスク情報や取り組み情報を共有するということが重要でありますので、検討する項目といたしましては、情報の伝達、それから避難計画等に関する事項や水防に関する事項といったソフト対策が中心になると考えております。

 渡 辺 ちょっと残念なところはあるんですけれども。ソフト対策や情報の共有ですとか、実際の水害のときの避難対策等協議していく中で、きっと、そういったハード面での修繕だとか、管理の強化だとかという話も出てくると思いますので、そこに期待していきたいと思います。
 近年、大規模地震災害ですとか、私の地元の富士山の噴火、災害対策に注目される昨今ですけれども、ただいま御答弁にありましたように、水害は一昨年の栃木県の常総市の鬼怒川の氾濫ですとか、昨年の北海道、東北の集中豪雨による水害ですとか、毎年のように水害が起こっているわけでございます。
 したがいまして、先ほどの御説明のように、住民の適切な避難や水防活動を充実することは非常に大切であると私も考えておりまして、本協議会の活発な議論や取り組みが着実に進められることによって、少しでも水害対策に資するように、またソフト面、ハード面ともに充実していくように期待するところではあります。
 最後に、今後の本協議会のスケジュールはどのようになっているのか、お伺いいたします。

 治水課長 今後のスケジュールですけれども、協議会の中に設置をしております実務者レベルの幹事会におきまして、さまざまな検討や調整を行いまして、本年度末を目標に地域の取り組み方針をまとめまして、今後5年間を目標に実施をしてまいりたいと考えております。

治山林道課の繰越明許費の設定について

 渡 辺 森の3ページ、治山林道課の繰越明許費の設定について何点かお伺いします。先ほどの御説明では、県全体で上半期に公共事業の約8割を執行する目標設定をしているということでしたけれども、この治山林道工事は上半期にどの程度の規模になるのか、まずお伺いいたします。

 治山林道課長  治山林道事業におきましては、工事箇所が山間奥地での工事となることから、従前から早期発注に心がけてきたところでございます。そういった中で、本年度の治山林道関係の事業では、当初予算額に前年度繰越額を加えた58億1,500万円余について、9月末までに、その約85%であります49億6,800万円余を執行することを目標としております。
 また、その内訳といたしましては、復旧治山事業や保安林改良事業などの治山費については、約90%の31億8,200万円余、林道開設や改良舗装事業などの林道費につきましては、約78%の17億8,600万円余の執行を見込んでいるところでございます。

 渡 辺 速やかな事業執行は県内の経済の活性化に貢献する大変すばらしい取り組みだと思っておりますので、より多くの事業が早期に発注されて、基本的に年度末のほうに工事が集中して、年度当初の4月、5月の仕事が少ないと業者からもお話を聞きますので、ぜひとも進めていただきたいと思います。
 ただいまの御説明の中で、全体は85%、治山工事は90%、しかし林道工事が
 78%と、治山工事に比べて林道工事の上半期の執行率が低いような御説明でしたけれども、何か理由があれば、お伺いいたします。

 治山林道課長  治山工事に比べ、林道工事の執行目標が低いことについてですけれども、林道につきましては路線ごとで工事を行っております。
 現在、平成28年度からの繰越工事を行っている同様な路線につきましては、先に行けないという事情がありまして、その完成を待ってから先線の工事の発注を行わなければならないという事情がございまして、治山費に比べまして目標が低くなっているということでございます。
 そういった理由でございますけれども、上半期の発注ができないこれらの路線につきましても、進捗管理は適切に行いまして、なるべく早く完成をさせるという努力をしていきたいと考えております 。

 渡 辺 林道をつくっていて、その先の工事があるから、その手前の工事が完了するか、めどが立つまで工事が出せないというような話だと思うんですけれども、ぜひとも執行の目標値になるように適正な管理をしていただいて、早期に仕事が発注できるような体制をつくっていっていただきたいと思います。
 最後に、この繰越明許費を設定することによって、どのような効果が得られるのかをお伺いいたします。

 治山林道課長  従来、9月議会におきまして繰越明許費の設定をお願いしていたわけですけれども、今回、繰越明許費を設定すると9月に設定をするよりも約3か月ほど工事の発注を前倒しすることが可能となります。
 そういった中で早期の経済効果が期待できるということ、それから早期に発注をいたしますので、翌年度工事の年度内完成にもつながってまいりますので、繰越工事が縮減され、一層の早期執行が可能となると考えているところでございます。