平成29年12月定例議会 土木森林環境委員会

災害復旧の状況について

 治水課長 本年度につきましては、8月の台風5号、9月の台風18号、それから10月の台風21号、22号により多くの被害が発生したという状況でございます。
 このうち台風21号、22号につきましては、来週、国の災害査定を受けることになっておりますので、この分につきまして、とりあえず申請額ベースで集計をしますと、本年度、市町村の災害も含む県全体では52カ所、約20億円の被害額となっております。これは最近10年間では、平成23年度に次ぐ大きな災害ということになると思っております。

 渡 辺 大きな被害があったと受けとめているんですけれども。その中で特に8月の台風5号で、大月市で土砂災害が発生するなど、富士東部地域、特に大月を中心としたところで影響が大きかったのではないかと思っているんですけれども、富士東部地域の状況について改めてお伺いします。

 治水課長 富士東部地域につきましては、特に8月の台風5号により多くの被害が発生をしておりますけれども、最終的には10月の台風21号、22号も含めますと、26カ所、約8億円の被害になると考えております。

 渡 辺 災害の復旧については、2次災害等を防ぐことも大事ですし、また住民の不安等も大きいことから、ぜひ早急に進めていっていただきたいと思うんですけれども、今後、復旧にどのように取り組んでいくのか、次にお伺いします。

 治水課長 災害査定が完了しております2次査定までの箇所につきましては現在、工事発注の準備をしておりまして、準備ができ次第、発注をしたいと思っております。また、来週3次査定を受ける箇所につきましては、復旧候補が決定し、また関係機関との調整が済み次第、早期の発注に努めてまいりたいと思っております。

 渡 辺 富士東部地域の山合いは雪等の心配もありますので、そういったことも考慮しながら、ぜひ早期発注、早期の復旧に努めていただきたいと思います。

富士山火山噴火減災対策について

 渡 辺 次に別の質問に移らせていただきます。富士山火山噴火減災対策について何点かお伺いしたいと思います。今年の8月に地元の国会議員、富士北麓地域の県議会議員みんなで一緒に、富士吉田市内や鳴沢村村内の土石流が発生するおそれのある沢を視察してまいりました。その折に、国土交通省の職員の方から、噴火の際に土石流が発生したら、どのような危険があるかという、危険性についての説明を受けました。富士北麓地域には火山噴火を想定した砂防堰堤がないと承知しておりますので、その減災対策のための砂防計画を早期に策定する必要があると思っております。そのような中、6月議会の一般質問に対する答弁の中で、砂防計画の対策編を今年度中に策定するというような答弁がありましたけれども、その概要と公表の見通しについて、まずお伺いします。

 砂防課長 まず1点目の対策編の概要についてであります。一昨年の12月に策定、公表しました基本編の方針に基づきまして、噴火の兆候が起きる前の平常時から行う砂防堰堤や沈砂池の設置、あと、緊急時における仮設堰堤や導流堤などに使用するブロックといった資材の備蓄などについて、具体的な設置位置など、こういったものを盛り込んだものとなります。それから、策定の見通しですけれども、現在、原案を取りまとめているところであります。今後、火山噴火対策の専門家の意見をお聞きする中で、年度内には策定、公表をすることとしております。

 渡 辺 ぜひ、その対策編が年度内に確実に策定されることを願っております。噴火の後に発生する土砂災害の形態として、降灰後の土石流、融雪型火山泥流、そして溶岩流などが想定されておりますけれども、現在策定中の砂防計画の対策編においては、この全ての、今挙げた3つの形態に対応されているのかどうか、お伺いします。

 砂防課長 先ほど委員がおっしゃったとおり、火山現象には3つございます。このうち噴火の兆候が起きる前の平常時から行う、基本対策と言いますけれども、これにつきましては、降灰後の土石流を当面の対象としまして、砂防堰堤や沈砂池等の整備を行うこととしております。また、火山噴火の前兆の現象があらわれた際の緊急対策、これにつきましては、先ほど委員からございました降灰後の土石流、融雪型火山泥流、溶岩流、この3現の全てを対象としまして、応急対策を実施することとしております。

 渡 辺 今御説明にもあったとおり、緊急時には3つの形態全てに対応していく上で、膨大な対策が必要になってくると考えております。この減災計画に基づく具体的な対策に対して、県も、そして私どもの地元、富士北麓地元市町村も、国直轄砂防事業化を重ねて要望してきているわけなんですけれども、11月下旬の新聞報道でも、知事が要望活動に行った際に前向きな回答をいただいたとありました。その国直轄の砂防事業化の現在の状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。

 砂防課長 事業化に向けた現在の状況ですけれども、来週12月18日に中部地方整備局におきまして、事業評価監視委員会というものが開催されることが、今週月曜日に発表されました。この委員会におきましては、現在、静岡県側のみで実施している富士山の直轄砂防事業の対象エリアに、山梨県側を含めた事業計画の案が示されると承知しております。また、この委員会で了承されることが、直轄事業化に向けての手続の一つになると国から聞いております。

 渡 辺 先ほどお話をさせていただきましたように、長年、県と地元市町村とで要望してきた国による直轄事業化がやっとスタートするということになってきて、地元としても大変喜ばしく思っております。そして今後、国直轄の砂防事業化に当たって、県にもぜひとも協力していっていただきたいと思うんですけれども、県として、事業が円滑に進むために、どのような役割を行っていくのかを最後にお伺いして質問を終わります。

 砂防課長 直轄事業化に向けた県の役割ですけれども、この直轄事業を円滑に進めるためには、事業用地の早期の確保が重要であると認識しております。このため、直轄事業化が実現した後は、国と連携を図りまして、用地の確保や、地元市町村や関係機関との調整に最大限の協力をしていきたいと考えております。

土砂崩落復旧対策事業費の繰越明許費について

 渡 辺 森1ページの土砂崩落復旧対策事業費の繰越明許費について何点かお伺いしたいと思います。今回の繰越は土地所有者の同意の取得に時間がかかり、不測の日数を要したからだというような説明がありましたけれども、そもそも、その同意の取得がおくれた理由はどのようなものだったのか、まずお伺いします。

 森林整備課長 同意の取得が遅れた理由でございますが、工事区域内には19名の土地所有者のほか、47名の共有林の権利者がいまして、このうち14名の方が登記簿上の所在地に居住していないといったことで、連絡がつかない状態でしたので、これらの方々の所在調査に時間を要しました。また、県外にお住まいの方ですとか、あるいは共有林の権利を相続された方、こういう方々につきましては、事情を説明して御理解をいただくため、複数回訪問する必要が生じたこと、こうしたことにより不測の日数を要してしまったところでございます。

 渡 辺 相続があったり、住所が変わって県外にいるなどの大変な事情ということは承知しましたけれども。この地域で土砂崩落が起きたのは平成18年と聞いておりまして、既に10年以上が経過しているわけですけれども、これは上野原市ですけれども、富士東部地域は台風等の被害もあって、住民もかなり不安を感じているという話を郡内地域では伺っております。そのような中、現在の状況に対して、どのような対策を講じられているのか、次にお伺いします。

 森林整備課長 現地につきましては、平成18年の土砂崩落以降、崩落といった規模の土砂の流出はございませんので、大きな地形の変化はないところでございます。昨年、ボーリング調査などを行いまして、土の滑動、土が動いていたり、あるいは亀裂、こういったものがないことは確認をしておりますが、崩壊地、その下部の沢地形部におきまして、土壌の侵食が進行している状況でございます。このため、侵食箇所の上部にフトンカゴによる帯工を設けまして、そこから河川まで水路工を整備することで侵食防止を図ることとしております。

 渡 辺 侵食を防止するということでしたけれども、前回の崩落では付近の川に土砂が流れ込んで、下流の世帯が避難するような状況になったと承知しております。今後こういうことが起きないように早期の復旧、そして完成に努めていただきたいと思うんですけれども、それと同時に、水路は定期的な土砂の撤去だとか、継続したメンテナンスとかが必要になってくると思います。それには地元、上野原市の協力も大変大事になってくると思うんですけれども、その調整についてはどうなっているのか、最後にお伺いします。

 森林整備課長 委員がおっしゃるように、地元のほうが施設に目も届きやすいですし、素早い対応が可能だということで、上野原市に維持管理についてはお願いをすることにしておりまして、工事終了後に、維持管理に係る協定を上野原市と結ぶという予定で準備を進めているところでございます。

ごみ処理の広域化について

 渡 辺 ごみ処理の広域化について何点かお伺いしたいと思います。県のごみ処理広域化計画では、県を3つのブロックに分けて、ごみ処理施設の集約を進めるとしていると思います。このうち甲府と峡東のCブロックについては、本年4月に集約が完了したと。そして峡北、中巨摩、峡南のAブロック、そして私の地元の富士東部地域のBブロックについては、まだ集約が完了していないということは承知しております。その中で、このまだ完了していないAブロックとBブロックのごみ処理の広域化に向けて、県ではこれまでどのように取り組んできたのか、まずお伺いいたします。

 環境整備課長 ごみ処理の広域化につきましては、広域化計画を策定しまして推進しているところでございますが、現在の計画が、本年度をもって終了するということになっております。県といたしますと、引き続き広域化を進めていく必要があると考えておりまして、そのため、今年の5月でございますが、Aブロック、Bブロック、それぞれにおきまして、市町村や一部事務組合の担当課長等による会議を開催いたしまして、計画の見直しに向けた説明ですとか、意見交換を行ったところでございます。
 その後、Aブロックにつきましては、7月に改めて広域化に向けた検討を要請いたしまして、その上で各市町村の検討状況の確認、基本的な合意事項等の調整等を行ってきたところでございます。またBブロックにつきましては5月の会議に先立ちまして、今年の1月から研修会、意見交換会などを行いまして検討を進めてきたところであり、先月改めて各市町村に対しまして検討を要請しているという状況でございます。

 渡 辺 Aブロック、甲府、中巨摩、峡南については集約が進んできているという新聞報道を目にすることがありまして、そして、反対にBブロックについては、あまり進捗状況が見られないというような感想を持っているんですけれども。その広域化計画が、ちょうど今年で終わり、来年から新しくなるというこの時点で、進捗していないBブロックについて、ぜひとも集約化を進めていっていただきたいと思うんですけれども、その中で特に、やはり県が広域化計画を立てるにしても地元市町村の意見が一番大事だと思っておりますので、Bブロックについては地元市町村とのやりとりを含めて、どのような状況になっているのか、改めてお伺いします。

 環境整備課長 Bブロックにつきましては、現在4つの施設で焼却が行われているところでございますが、その各施設の今後の更新あるいは移転等の予定等を確認いたしまして、どういう形の集約が実現可能であるのかということで検討をしていただいているところであります。そういった状況を各市町村とも共有をいたしまして、先ほど申し上げましたとおり、先月に改めて全体の状況を県から説明をいたしますとともに、具体的にどういう方向で集約を進めていくのがよいのかということで、前向きに検討していただきたいということで要請を行ったところでございます。

 渡 辺 新しい計画をまた10年で立てると思われるんですけれども、ごみの広域処理については長期計画、20年、30年というスパンで、また考えていかなければならないという点もあるかと思います。また、Bブロックの富士東部地域では4つの施設でごみを処理しているということで、その施設の耐久の期限も大きく絡んでくると思いますので、ぜひ地元市町村と連携をとりながら、将来的には富士東部地域で一つのごみ処理ができるような形に持っていけるように、県の支援をお願いして質問を終わりたいと思います。答弁は結構です。