議 題
指定管理施設の管理の業務又は経理の状況及び県が出資している法人の経営状況の調査の件
審査の概要
まず、本日の審査順序について、森林環境部、総合政策部、農政部、警察本部の順で行うこととし、審査を効率的に進めるため、部局審査では、各法人・施設の事務的な調査を詳細に行い、現地調査では、各法人・施設の役員等からの説明聴取と施設等調査を重点的に行うことが了承された。また、部局審査では、部長等は概要説明の後自室待機させ、必要に応じて出席を求めることとし、各法人の審査については実務担当者から説明を受けることが了承された。
審査に先立ち、7月14日の委員会において山田委員及び佐藤委員が質問した県出資法人の収支等に関して、生涯学習文化課長から説明があった。
午前10時13分から午前11時18分まで森林環境部所管の出資法人、午後1時から午後2時27分まで総合政策部、農政部、警察本部所管の出資法人の審査を行った。
質疑 ㈱清里の森管理公社について
渡 辺 清里の森管理公社は株式会社ですので、言うまでもなく、安定した経営を行っていく上で収入の確保というものが大事になってくるのではと考える次第です。そこで、今、御説明にあったように、さまざまな事業を行っていると思うのですけれども、もう少し公社の主な収入について御説明いただければと思います。
県有林課長 清里の森管理公社の収入ですが、主なものとしましてテニスコート、パークゴルフ場などの収益施設からの売上、それと別荘敷地内の草刈り、流木伐採のようなものを受託している受託料、あと、別荘住民からの共益費、テナント収入、別荘仲介手数料など、全て清里の森の管理経営より得られているものです。
渡 辺 収入については御説明いただいたとおり理解いたしました。次に、清里の森管理公社の経営状況についてお伺いしたいと思います。258ページの損益計算書の一番下に、当期純利益がございますけれども、ここがマイナス415万円余りという赤字になっていると思いますけれども、その主たる原因についてお聞かせください。
県有林課長 258ページの決算状況を見ていただきますと、今、お話のありましたような形でございます。内容を精査しますと、テナントの撤退による賃料、あと、別荘仲介の低迷による手数料が減少したということ。それと、平成26年度の消費税率アップに基づきまして、今期決算にそれが反映されたということがございまして、支出も増加したことから、赤字決算となったということです。
渡 辺 今の説明で、赤字決算となった原因は理解いたしましたけれども、県としてこの赤字決算となった原因を分析して、平成28年度以降、収支改善に向けて、どのように具体的に取り組まれるのかお伺いいたします。
県有林課長 先ほど申しましたように、テナントの撤退というのが非常に大きな赤字の原因となっています。そういうことも含めまして、店したテナント施設に1日も早く入居者が確保できるように、不動産情報サイトのようなホームページ等も活用しながら広報活動の強化を図っているところでございます。
さらに、清里の森再整備事業で、森の音楽堂がリニューアルされておりますので、新たなイベントの開催や地元の観光団体等との連携を図る中で、そうした施設への観光客の集客を図り、収益施設の稼働率を向上させていきたいと考えております。それと、支出面において、水道光熱費等の一般管理費の抑制に今まで以上に努めてまいりたいと考えているところでございます。
渡 辺 平成28年度の収支改善計画についてお伺いいたしましたが、平成28年度は本年度になるわけですけれども、本年度はもう既に3カ月ほど経過しております。そこで、この3カ月、第1四半期における、今、御説明いただいた黒字化に対する取り組みはどのような進捗状況になっているのかを最後にお伺いして質問を終わらせていただきます。
県有林課長 3カ月経過しました第1四半期の状況でございますけれども、前年度同時期と比較しますと、森の工房の利用者数の増加などによりまして、2.3%の増収という状況となってございます。
一方、支出の面でございますが、水道光熱費の節減などによりまして、5.7%の減ということでございます。一概には今、言えないわけですけれども、今後も引き続き営業努力等により収益施設の稼働率の向上でありますとか、水道光熱費などの一般管理費のさらなる削減に努めることによりまして収支改善に取り組んでまいりたいと考えてございます。
質疑 山梨県土地開発公社について
渡 辺 私のほうからは、市川三郷町の大塚地区拠点工業団地にかかる損害賠償請求訴訟について幾つかお伺いしたいと思います。まず初めに、この裁判の被告として伊藤建材株式会社と水上静雄さんを相手方としておりますけれども、この2者を相手方と特定した経緯について教えてください。
地域創生・人口対策課長 この事案が発生しました平成24年度におきまして、実は我々、公社のみならず、法律家、あるいは大学教授等、外部有識者によります調査委員会を立ち上げました。
その調査委員会の中で、事案が起きた、なぜ廃棄物が出てきたのか、そういったところの過去の経緯、土地の所有者から公社の関係者、あるいは県の担当者、そういうところに聞き取り調査をしていただきました。
その調査委員会の中に法律家もいらっしゃることから、法的に誰にどこまで損害賠償請求が可能かというようなところも検討していただいたところ、実際、埋まっていた土地の中で伊藤建材株式会社につきましては、この会社は土木工事、あるいは建物の解体等をやっている会社でございまして、今回、市川三郷町の団地におきましては、盛り土をする際の土の運搬等をやっていただいた会社なのですけれども、その中に伊藤建材でないと入らないような廃棄物、具体的に申しますと菓子袋がございまして、そういったものが廃棄物から出てきたというところで特定に至ったというところでございます。
もう1者は個人になります。水上静雄氏なんですけれども、こちらにつきましては従来から水道関係の事業を営んでおられた方なんですけれども、地主ということでして、もともとの土地を掘り進めてまいりますと、水道管等が出てきたということで、相手方の特定に至ったということです。この2者だけが、逆に言うと特定できたというわけでございまして、そういう形で裁判に至ったということでございます。
渡 辺 2者を特定した経緯については理解いたしました。それでは、この請求の請求額が両者をあわせて1億円強ということですけれども、先ほどの説明だと、この土地の修復工事にはもう少しお金がかかるということでしたけれども、なぜ1億円強の請求額にしたのか、その積算した経緯についてお伺いいたします。
地域創生・人口対策課長 この事案が発生した区画につきましては、この区画全体で2.7ヘクタールほどある土地でございますけれども、実はこの土地、掘り返してみますと、若干の分布のばらつきはありますけれども、ほぼ全域から廃棄物が出てきたという状況です。ただし、廃棄物の中には、先ほど申しました伊藤建材あるいは水上さんを特定した理由のとおり、相手方が特定できた土地もあれば、逆に言うと、誰が埋めたか、それからもともと埋まっていたのか、そこが特定できないというところがございました。なので、区画全体2.7ヘクタール全体に対してかかった費用が全体費用ということで、このスキームに書いております6.5億円かかったということですが、伊藤建材、あるいは水上さんの部分の場所につきまして、実際にそこの部分を掘り返すのに要した経費というのを土の量、土量をベースに算定、積算をいたしまして、そこで裁判で訴えた額というのが1億円ということでございました。ほかの区画については相手方が特定できなかったことから、大変じくじたる思いでございますけれども、損害賠償請求には至らなかったというところでございます。
渡 辺 県が特定して積算した金額が、この用紙を見ますとほぼ100%認められていると。そして、判決額を見ますとほぼ請求額のとおりに近いような形で決定しているということなんですけれども、これを見ますと、県の主張が裁判の経緯の中で認められて、公社のこの土地に対する管理も別に問題がなかったというように理解してもよろしいんですか。
地域創生・人口対策課長 この裁判の事案につきましては、委員御指摘のとおり、裁判所のほうからは、土地開発公社について責任はないということを判決の中で100%お認めいただいているという状況でございます。確かに、伊藤建材と水上さんの二者に対しましては、公社が知り得ない状況で廃棄物等が見つかったというところで、その二者との関係においては公社は知り得なかった、そこは責任はないという認定を裁判の過程においていただいているところでございますけれども、ただ、先ほど冒頭御説明いたしました、24年に設置した外部有識者委員会におきまして、土地全体の管理につきまして、公社の責任がないとは当然言っておらず、買収から売却までの間、十分な注意義務を果たしていない、不誠実な業務執行を行っていたと言わざるを得ない、そういったことで多大な損失を県民にかけているということについて猛省をすべきである、ということを厳しく指摘をいただいているというところでございまして、この裁判の事案とは関係のない部分につきましても、公社は土地全体として管理を徹底すべきであったと重く受けとめているところでございます。
なので、公社としても、そういった外部有識者の指摘を踏まえながら、今後適切な業務改善策を策定して、今後、適切な土地管理を行ってまいりたいと考えているところでございます。
渡 辺 今の説明を聞いて、ぜひ今後も適切な土地管理を進めていっていただければと思います。そして、次に、裁判所から和解案が提示されているかと思います。ここに説明があるように、伊藤建材との間の和解案が成立したということが書かれておりますけれども、その金額が1,500万円という形になっております。判決額は1,750万円余ということになっているのですけれども、250万円余りの減額を受け入れて和解した経緯といいますか理由をお示しください。
地域創生・人口対策課長 先ほど委員がおっしゃられたように、この和解案につきましては、控訴審の後、ただちに結審いたしまして、その場で和解をしたらどうかという申し入れが裁判所からあったところでございます。その後、裁判所のほうから具体的に、この額も含めまして、我々と相手方である伊藤建材に対して、和解案の提示があったというところでございます。この和解案につきましては、土地開発公社で担当していただいている顧問弁護士とも相談いたしました。まず、この裁判は、一審の判決を基本的に引き継いで、東京高裁のほうでも公社の責任はないと判断をしていただいているということ。また、仮に判決という形になりますと、相手方である伊藤建材がもし支払わなかった場合に、強制的な手段に訴えざるを得ないというところがありますけれども、和解ということになりますと、この額を支払うという伊藤建材の意思がはっきりしたところで、双方の合意によって1,500万円という額に決定していますので、より最短で、最も確実にお金を支払っていただけるというところで、我々としても和解を受け入れるという判断に至ったところでございます。
渡 辺 そういったもろもろの状況と、伊藤建材との和解の上で確実に支払っていただけるといった利益も含める形で和解に応じたということは理解いたしました。最後に、もう一方の水上静雄氏との間では和解が成立していない。また、水上さんに至っては和解に応じる意思がなさそうだというようなことが書かれておりますけれども、今後、県としてどういった対応をしていくのか、最後にお伺いいたします。
地域創生・人口対策課長 水上氏につきましては、伊藤建材と同様、和解の話が裁判所からあったのではないかと推測されますけれども、相手方が和解のテーブルに着くことは現状ではないと聞いております。現状のままいきますと、8月4日に控訴審の判決が出ます。もし、その前段階で和解の話があれば別ですけれども、その控訴審の判決の内容を見て、具体的に対応するという形になります。伊藤建材との関係で申しますと、水上さんについても、我々のほうの損害賠償請求が一部認められるような形に決着するのではないかと思っておりまして、もし仮にそうなった場合、水上さんとも折衝する中で、なるたけ賠償額を払っていただけるような形で決着をしていきたいと考えているところでございます。