令和6年2月定例会 

山梨県地域における介護及び医療の提供体制の確保に関する条例提案理由説明

 今回、委員提出した「山梨県地域における介護及び医療の提供体制の確保に関する条例」につて、地域の医療と介護を守るための条例案作成委員会を代表して、その提案理由を説明する。
 まず、制定の経緯についてである。
 県民が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けるために、介護及び医療の提供体制の確保は欠かせない。
 本県においては、これまでも介護や医療を担う人材の確保・定着に取り組んでいるが、我が国で世界に類を見ない急速なペースで人口減少・少子高齢化が進行する中、県内でも人手不足はたいへん厳しい状況となっている。
 そのため、県議会では、昨年6月に10名の委員からなる「地域の医療と介護を守るための条例案作成委員会」を設置し、本県の介護及び医療分野における人材の確保・定着に関する取り組み・施策の実施状況について把握するとともに、県外先進事例の調査、関係団体との意見交換会を実施するなど調査、研究、検討を行ってきた。
 併せて、パブリックコメントを実施して、広く県民の皆様から御意見を伺った上で条例案を取りまとめ、本日の提案となった。
 次に、本条例案の概要について、御説明する。
本条例は、地域における良好な介護及び医療の提供体制の下で県民生活の向上を推進するための基本理念、県、介護事業者及び医療機関等が果たすべき責務並びに県民の役割について定め、県民が住み慣れた地域で安心して暮らすため介護及び医療を受けることができる体制を確保するための施策の基本的な事項を定めている。
 本条例の主な内容としては、まず、第五条で「県民の役割」として「介護・医療の従事者との信頼関係を築き、適切な利用に努める」ことなどを定めている。
また、県の基本的な施策として、第七条で「介護従事者等の確保及び資質の向上」を、さらに、第九条では介護及び医療の提供体制を確保に関する県民の関心を高めるため、県は普及啓発や、学校、地域、家庭等における学びの推進に加えて、介護及び医療の働きがいに対する社会的認知の更なる向上に努めることも定めている。
 終わりに、本条例の制定を契機に、県、県民、介護事業者、医療機関及びその他の関係者がともに手を携え、地域における介護及び医療の持続可能な提供体制の確保に取り組むことにより、すべての県民が、いくつになっても住み慣れた地域で安心して暮らすことができ、かつ、誰もが豊かで、活力ある山梨県の実現に寄与することを心から念願するものである。
 議員各位におかれては、よろしく御賛同賜りますよう、お願いを申し上げて、提案理由の説明とする。
 地域の医療と介護を守るための条例案作成委員会 委員長 渡辺淳也