平成29年度12月定例会 土木森林環境委員会

災害復旧の状況について

●渡辺 本年度の災害復旧の状況について何点かお伺いしたいと思います。今議会で県単独災害復旧費という形で補正予算を計上していると思いますけれども、本年度は大月市や南アルプス市で記録的短時間大雨情報等が発表されるなど、非常に雨が多く降ったという印象があります。

 また、私の富士北麓地域でも、この大雨の影響で、河口湖の水位に大きな影響があったということも伺っております。このような中で、本年度の県土整備部の公共土木施設災害復旧事業の状況はどうなっているのか、まずお伺いします。

 

●治水課長 本年度につきましては、8月の台風5号、9月の台風18号、それから10月の台風21号、22号により多くの被害が発生したという状況でございます。

 このうち台風21号、22号につきましては、来週、国の災害査定を受けることになっておりますので、この分につきまして、とりあえず申請額ベースで集計をしますと、本年度、市町村の災害も含む県全体では52カ所、約20億円の被害額となっております。これは最近10年間では、平成23年度に次ぐ大きな災害ということになると思っております。

 

●渡辺 大きな被害があったと受けとめているんですけれども。その中で特に8月の台風5号で、大月市で土砂災害が発生するなど、富士東部地域、特に大月を中心としたところで影響が大きかったのではないかと思っているんですけれども、富士東部地域の状況について改めてお伺いします。

 

●治水課長 富士東部地域につきましては、特に8月の台風5号により多くの被害が発生をしておりますけれども、最終的には10月の台風21号、22号も含めますと、26カ所、約8億円の被害になると考えております。

 

●渡辺 災害の復旧については、2次災害等を防ぐことも大事ですし、また住民の不安等も大きいことから、ぜひ早急に進めていっていただきたいと思うんですけれども、今後、復旧にどのように取り組んでいくのか、次にお伺いします。

 

 

●治水課長 災害査定が完了しております2次査定までの箇所につきましては現在、工事発注の準備をしておりまして、準備ができ次第、発注をしたいと思っております。また、来週3次査定を受ける箇所につきましては、復旧候補が決定し、また関係機関との調整が済み次第、早期の発注に努めてまいりたいと思っております。

 

●渡辺 富士東部地域の山合いは雪等の心配もありますので、そういったことも考慮しながら、ぜひ早期発注、早期の復旧に努めていただきたいと思います。

富士山火山噴火減災対策について

●渡辺 次に別の質問に移らせていただきます。富士山火山噴火減災対策について何点かお伺いしたいと思います。今年の8月に地元の国会議員、富士北麓地域の県議会議員みんなで一緒に、富士吉田市内や鳴沢村村内の土石流が発生するおそれのある沢を視察してまいりました。その折に、国土交通省の職員の方から、噴火の際に土石流が発生したら、どのような危険があるかという、危険性についての説明を受けました。富士北麓地域には火山噴火を想定した砂防堰堤がないと承知しておりますので、その減災対策のための砂防計画を早期に策定する必要があると思っております。そのような中、6月議会の一般質問に対する答弁の中で、砂防計画の対策編を今年度中に策定するというような答弁がありましたけれども、その概要と公表の見通しについて、まずお伺いします。

 

●砂防課長 まず1点目の対策編の概要についてであります。一昨年の12月に策定、公表しました基本編の方針に基づきまして、噴火の兆候が起きる前の平常時から行う砂防堰堤や沈砂池の設置、あと、緊急時における仮設堰堤や導流堤などに使用するブロックといった資材の備蓄などについて、具体的な設置位置など、こういったものを盛り込んだものとなります。それから、策定の見通しですけれども、現在、原案を取りまとめているところであります。今後、火山噴火対策の専門家の意見をお聞きする中で、年度内には策定、公表をすることとしております。

 

●渡辺 ぜひ、その対策編が年度内に確実に策定されることを願っております。噴火の後に発生する土砂災害の形態として、降灰後の土石流、融雪型火山泥流、そして溶岩流などが想定されておりますけれども、現在策定中の砂防計画の対策編においては、この全ての、今挙げた3つの形態に対応されているのかどうか、お伺いします。

 

砂防課長 先ほど委員がおっしゃったとおり、火山現象には3つございます。このうち噴火の兆候が起きる前の平常時から行う、基本対策と言いますけれども、これにつきましては、降灰後の土石流を当面の対象としまして、砂防堰堤や沈砂池等の整備を行うこととしております。また、火山噴火の前兆の現象があらわれた際の緊急対策、これにつきましては、先ほど委員からございました降灰後の土石流、融雪型火山泥流、溶岩流、この3現の全てを対象としまして、応急対策を実施することとしております。

 

●渡辺 今御説明にもあったとおり、緊急時には3つの形態全てに対応していく上で、膨大な対策が必要になってくると考えております。この減災計画に基づく具体的な対策に対して、県も、そして私どもの地元、富士北麓地元市町村も、国直轄砂防事業化を重ねて要望してきているわけなんですけれども、11月下旬の新聞報道でも、知事が要望活動に行った際に前向きな回答をいただいたとありました。その国直轄の砂防事業化の現在の状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。

 

●砂防課長 事業化に向けた現在の状況ですけれども、来週12月18日に中部地方整備局におきまして、事業評価監視委員会というものが開催されることが、今週月曜日に発表されました。この委員会におきましては、現在、静岡県側のみで実施している富士山の直轄砂防事業の対象エリアに、山梨県側を含めた事業計画の案が示されると承知しております。また、この委員会で了承されることが、直轄事業化に向けての手続の一つになると国から聞いております。

 

●渡辺 先ほどお話をさせていただきましたように、長年、県と地元市町村とで要望してきた国による直轄事業化がやっとスタートするということになってきて、地元としても大変喜ばしく思っております。そして今後、国直轄の砂防事業化に当たって、県にもぜひとも協力していっていただきたいと思うんですけれども、県として、事業が円滑に進むために、どのような役割を行っていくのかを最後にお伺いして質問を終わります。

 

●砂防課長 直轄事業化に向けた県の役割ですけれども、この直轄事業を円滑に進めるためには、事業用地の早期の確保が重要であると認識しております。このため、直轄事業化が実現した後は、国と連携を図りまして、用地の確保や、地元市町村や関係機関との調整に最大限の協力をしていきたいと考えております。

 

土砂崩落復旧対策事業費の繰越明許費について

●渡辺 森1ページの土砂崩落復旧対策事業費の繰越明許費について何点かお伺いしたいと思います。今回の繰越は土地所有者の同意の取得に時間がかかり、不測の日数を要したからだというような説明がありましたけれども、そもそも、その同意の取得がおくれた理由はどのようなものだったのか、まずお伺いします。

 

●森林整備課長 同意の取得が遅れた理由でございますが、工事区域内には19名の土地所有者のほか、47名の共有林の権利者がいまして、このうち14名の方が登記簿上の所在地に居住していないといったことで、連絡がつかない状態でしたので、これらの方々の所在調査に時間を要しました。また、県外にお住まいの方ですとか、あるいは共有林の権利を相続された方、こういう方々につきましては、事情を説明して御理解をいただくため、複数回訪問する必要が生じたこと、こうしたことにより不測の日数を要してしまったところでございます。

 

●渡辺 相続があったり、住所が変わって県外にいるなどの大変な事情ということは承知しましたけれども。この地域で土砂崩落が起きたのは平成18年と聞いておりまして、既に10年以上が経過しているわけですけれども、これは上野原市ですけれども、富士東部地域は台風等の被害もあって、住民もかなり不安を感じているという話を郡内地域では伺っております。そのような中、現在の状況に対して、どのような対策を講じられているのか、次にお伺いします。

 

●森林整備課長 現地につきましては、平成18年の土砂崩落以降、崩落といった規模の土砂の流出はございませんので、大きな地形の変化はないところでございます。昨年、ボーリング調査などを行いまして、土の滑動、土が動いていたり、あるいは亀裂、こういったものがないことは確認をしておりますが、崩壊地、その下部の沢地形部におきまして、土壌の侵食が進行している状況でございます。このため、侵食箇所の上部にフトンカゴによる帯工を設けまして、そこから河川まで水路工を整備することで侵食防止を図ることとしております。

 

●渡辺 侵食を防止するということでしたけれども、前回の崩落では付近の川に土砂が流れ込んで、下流の世帯が避難するような状況になったと承知しております。今後こういうことが起きないように早期の復旧、そして完成に努めていただきたいと思うんですけれども、それと同時に、水路は定期的な土砂の撤去だとか、継続したメンテナンスとかが必要になってくると思います。それには地元、上野原市の協力も大変大事になってくると思うんですけれども、その調整についてはどうなっているのか、最後にお伺いします。

 

●森林整備課長 委員がおっしゃるように、地元のほうが施設に目も届きやすいですし、素早い対応が可能だということで、上野原市に維持管理についてはお願いをすることにしておりまして、工事終了後に、維持管理に係る協定を上野原市と結ぶという予定で準備を進めているところでございます。

 

ごみ処理の広域化について

●渡辺 ごみ処理の広域化について何点かお伺いしたいと思います。県のごみ処理広域化計画では、県を3つのブロックに分けて、ごみ処理施設の集約を進めるとしていると思います。このうち甲府と峡東のCブロックについては、本年4月に集約が完了したと。そして峡北、中巨摩、峡南のAブロック、そして私の地元の富士東部地域のBブロックについては、まだ集約が完了していないということは承知しております。その中で、このまだ完了していないAブロックとBブロックのごみ処理の広域化に向けて、県ではこれまでどのように取り組んできたのか、まずお伺いいたします。

 

●環境整備課長 ごみ処理の広域化につきましては、広域化計画を策定しまして推進しているところでございますが、現在の計画が、本年度をもって終了するということになっております。県といたしますと、引き続き広域化を進めていく必要があると考えておりまして、そのため、今年の5月でございますが、Aブロック、Bブロック、それぞれにおきまして、市町村や一部事務組合の担当課長等による会議を開催いたしまして、計画の見直しに向けた説明ですとか、意見交換を行ったところでございます。

その後、Aブロックにつきましては、7月に改めて広域化に向けた検討を要請いたしまして、その上で各市町村の検討状況の確認、基本的な合意事項等の調整等を行ってきたところでございます。またBブロックにつきましては5月の会議に先立ちまして、今年の1月から研修会、意見交換会などを行いまして検討を進めてきたところであり、先月改めて各市町村に対しまして検討を要請しているという状況でございます。

 

●渡辺 Aブロック、甲府、中巨摩、峡南については集約が進んできているという新聞報道を目にすることがありまして、そして、反対にBブロックについては、あまり進捗状況が見られないというような感想を持っているんですけれども。その広域化計画が、ちょうど今年で終わり、来年から新しくなるというこの時点で、進捗していないBブロックについて、ぜひとも集約化を進めていっていただきたいと思うんですけれども、その中で特に、やはり県が広域化計画を立てるにしても地元市町村の意見が一番大事だと思っておりますので、Bブロックについては地元市町村とのやりとりを含めて、どのような状況になっているのか、改めてお伺いします。

 

●環境整備課長 Bブロックにつきましては、現在4つの施設で焼却が行われているところでございますが、その各施設の今後の更新あるいは移転等の予定等を確認いたしまして、どういう形の集約が実現可能であるのかということで検討をしていただいているところであります。そういった状況を各市町村とも共有をいたしまして、先ほど申し上げましたとおり、先月に改めて全体の状況を県から説明をいたしますとともに、具体的にどういう方向で集約を進めていくのがよいのかということで、前向きに検討していただきたいということで要請を行ったところでございます。

 

●渡辺 新しい計画をまた10年で立てると思われるんですけれども、ごみの広域処理については長期計画、20年、30年というスパンで、また考えていかなければならないという点もあるかと思います。また、Bブロックの富士東部地域では4つの施設でごみを処理しているということで、その施設の耐久の期限も大きく絡んでくると思いますので、ぜひ地元市町村と連携をとりながら、将来的には富士東部地域で一つのごみ処理ができるような形に持っていけるように、県の支援をお願いして質問を終わりたいと思います。答弁は結構です。

 

平成29年度9月定例会 土木森林環境員会

森林整備について

●渡辺 それでは、森林整備について何点かお伺いしたいと思います。県では林業の成長産業化を目標の一つと掲げており、先月公表されました県内公共建築物における木材利用の促進も、県産材の需要を拡大するための取り組みの一つだと承知はしております。しかしながら、条件の悪い森林では木材を販売しても利益が出ない状況が続いているという話も伺っております。

 また、県内の民有林の多くは個人所有で、間伐などの手入れがされない森林も数多く残っているということもよく耳にいたします。そこで、県では平成24年度から県民税として森林環境税を導入して、放置された森林を整備されていると承知しておりますが、まず整備が必要な森林がどの程度あるのかお伺いいたします。

 

●森林整備課長 平成24年度の森林環境税の導入に先立ちまして、荒廃森林のサンプリング調査を実施しております。この調査によりまして、荒廃森林が県下で約1万9,000ヘクタール程度存在すると推計されておりますので、ここから平成24年度から昨年度までの5年間の整備量、約4,000ヘクタールを差し引きますと、残り約1万5,000ヘクタールほど整備が必要な森林がございます。

 

●渡辺 全体で調査したときに1万9,000ヘクタール。4,000進めて残り1万5,000ヘクタール残っているという答弁でございましたけれども、県の森林環境税を使った事業は2期に入っていると承知しているわけでございますけれども、1期目の4,000ヘクタールという実施状況を踏まえ、どのように今後、森林整備を実施・推進していこうと考えているのかお伺いいたします。

 

●森林整備課長 今後の第2期の森林整備の推進方法ということですが、第1期におきまして荒廃した人工林を強度に間伐することによりまして、県土の保全や水源の涵養といった公益的機能の高い、針葉樹と広葉樹が混じり合った森林に誘導をいたしまして、そういう意味で着実な成果を上げてきたものと考えております。

このため、第2期計画におきましても、同様の手法による整備を推進することとしておりまして、この5年間で増大しております獣害対策経費といったものに対応するために、第1期を上回る事業費を充当しまして、整備量としては第1期実績並みの3,850ヘクタールを計画しているところでございます。

 

●渡辺 1期の実績を踏まえて2期工事もどんどん推進していっていただきたいと思うのですけれども、災害の防止等で森林が重要だということは新聞報道等でよく言われており、個人の力だけでは管理できない森林は社会全体で守っていかなければならないと承知しております。さて、国では現在、御承知のとおり平成30年度の税制改正に向けて、森林環境税を国税として創設することを検討していると耳にしております。その目的は、適正な管理が行われず、放置された森林を整備するための財源確保だと聞いておりますが、国ではどのような森林整備を想定しているのかお伺いします。

 

●森林整備課長 国でどのような森林整備を考えているかということですが、現在、国では総務省が有識者会議を設置いたしまして、税の仕組みや使途について検討を行っているところです。この中で、昨年の与党税制大綱において、森林環境税は自然的、社会的条件が不利で、所有者による自発的な管理が見込めない森林を市町村が主体となって整備するための財源とするとされておりますので、これを基本とした検討がなされております。

こうした森林整備の考え方のもと、具体的な事業につきましては、民有林整備における市町村の役割を明確にした上で、今後明らかにされていくものと考えております。また、本県と同様に、県独自の森林環境税を導入している府県が37府県ございますので、有識者会議におきましては、これらとの関係についても整理していくこととされております。

 

●渡辺 国の動向を注視しながら、国が創設を検討しておる森林環境税と、もともとの県の森林環境税との相乗効果によって、県で必要とされる森林整備が進んでいくことを願っておるわけですけれども、国が新たな財源を確保することによって、雇用の創出や地域の活性化にもつながっていくと思いますので、ぜひとも国の森林環境税の導入の暁には、地元市町村と連携をしながら必要な時期に必要な森林整備ができるよう、県においてもさらなる検討を進めていただければと思います。

 

治山対策について

●渡辺 治山対策について何点かお伺いしたいと思います。新聞報道等もあったのですけれども、さきの台風18号が県内を通過した際には、私の地元の富士北麓地域の山中湖では144ミリ、河口湖では103ミリと、強風を伴った豪雨に見舞われました。また、8月の初めの大月を中心に土砂崩落などの被害が発生した台風5号では、1時間当たり100ミリを超えるという、本当に猛烈な雨を記録したと聞いております。

台風5号による強雨は局地的に雨を降らせる線状降水帯が原因と言われております。ゲリラ豪雨とか集中豪雨とかとも言われているようなものと承知はしているのですけれども、昨今、いつどのようなタイミングでこういった猛烈な豪雨に見舞われるかというのは予想できないような状況だということを報道等で伺っております。その点を踏まえて、まず台風5号と台風18号による県内の被害の状況についてお伺いいたします。

 

●治山林道課長 台風5号と18号の被害状況ですが、まず、8月7日から8日にかけて本県に接近した台風5号は、富士東部建設事務所の雨量計で1時間84ミリという雨量を記録しており、記録的な集中豪雨と認識をしておりまして、大月市を中心に局地的な被害が生じているところです。この台風による被害の状況ですが、治山関係で申し上げますと、山地崩壊箇所が10カ所、それから既設の治山施設で被災をした箇所が3カ所でありました。台風18号につきましては、委員御指摘のとおり山中湖村で144ミリの雨量を記録しておりますけれども、林務環境事務所で県下全域調査をいたしておりますが、幸いにも被害は確認されておりません。

 

●渡辺 直近の台風18号のほうは、森林環境部所管のところでは被害はないということですけれども、台風5号については大月を中心に大分深刻な被害があったというお話ですが、地元の大月市を中心とした富士東部地域では、この台風5号の被害を大変心配し、不安に感じているということをお伺いしております。そのような中で、またこういったゲリラ豪雨、あるいは集中豪雨がいつ来るとも限りませんので、迅速な被災箇所の復旧が必要だと思っているわけですけれども、今回の補正予算には経費は計上されていないと承知しておりますが、これから台風5号による被害の復旧をどのように考えていくのか次にお伺いいたします。

 

●治山林道課長 台風5号による被害について、その中で緊急性の高い箇所については国庫補助治山事業を活用するということで、事業名とすれば災害関連緊急治山事業ですが、今、復旧申請を行っておりまして、まもなく発注ができるかと思っております。そのほか、既設の治山施設の被害箇所でございますけれども、これについては必要な箇所に既に整備をされている中で、機能を復旧させなければならないということの中で、国の施設災害復旧事業、これも国庫補助にあるわけですけれども、国の施設災害復旧の補助を受けるための査定の準備を進めているところでございます。

 また、その他の箇所の復旧につきましては、明年度の事業着手に向け、関係機関との調整や調査、測量などを今、やっているところでございます。補正予算に計上されていないということでございますけれども、災害の復旧については迅速な対応が必要であることから、当初予算の段階で災害復旧にかかわるものについては予備的に計上をいたしております。災害関連緊急治山事業で3億円、施設災害復旧費で1億円ほど当初予算に計上をしておりまして、今回につきましてはこれの範囲内で執行が可能なことから、補正予算として計上していないものでございます。

 

●渡辺 当初予算にもともとその災害復旧用の費用も計上されているということでございますので、また、国の制度等も活用しながら、先ほども申しましたとおり、いつまた来るかもしれない、台風シーズンでもございますので、早期の復旧に努めていただければと、そのように思います。もう1点お聞きしたいのですけれども、7月の九州北部豪雨で、山腹が崩壊したことによって大量の木が土石流とともに下流に流れ出して大きな被害が出たという報道がございました。本県が有数の森林県であるということは承知しておりますけれども、こうした山腹の崩壊による大量の土石流といった事象に対して、どのような対策

を行っているのかを最後にお伺いいたします。

 

●治山林道課長 7月の九州北部豪雨の教訓を踏まえてということでございますが、九州北部豪雨の災害を見ますと、やはり発生源対策、いわゆる山地の対策が必要かと思います。その山地の発生源対策を担うのが治山事業になりますので、治山事業の計画に当たって、市町村と連携をする中で山地災害パトロールを実施し、市町村の要望を聞いた中で事業を優先的に実施していくということがまず1点でございます。

次に、林野庁で定めた一定の基準に従い、山地災害のおそれのある箇所について調査し、山地災害危険地区を指定しています。山地災害危険地区につきましては、現在、県では3,489箇所ございまして、そのうち治山事業に着手をしているところが2,278箇所ございます。着手率といたしましては65.3%ぐらいということになりますけれども、この未着手箇所の解消を2つ目の優先事項として取り組んでいるところでございます。そうした中で、流木対策といたしましては、上から流れてくる立木を捕捉するための治山ダム、いわゆるスリットダムと言われているものですけれども、こちらの設置を実施しているほか、渓床内に倒れている木であるとか、そういったものが流れてこないように治山事業にあわせて処理をする危険木処理といったことに今、取り組んでいるところでございます。

 

●渡辺 富士吉田警察署の建築工事について何点かお伺いしたいと思います。私の地元の富士吉田市に移転ということに決まりました。説明にもありましたように、老朽化して、狭隘で、建物も狭ければ、駐車場も狭くて、大変苦労していたという話を聞いて、私も常日ごろから移転先を車で通ったりするわけなのですけれども、今は造成工事もほぼ終わりました。いよいよ建築に入っていくということで、この工事の契約の承認になるというわけなのですけれども、移転場所は富士北麓地域の多分、交通の要衝になるところで、当然、富士吉田市の中心地に近い部分にあって、富士河口湖町にも新倉トンネルを抜けてすぐに出動できる。そして、さらには国道に出て、一市二村道に行って、忍野山中方面にも行くことができるという、大変交通の便のいいところに移転して建築できるということで、地元としても治安の向上等を考えて大変喜ばしく思っているところであります。

 富士北麓地域は、人口は減っていっているのですけれども、そのかわり、10年前に比べてはるかに外国人観光客もふえて、定住人口は減っているけれど、国内の観光客も含めて富士北麓地域を訪れる交流人口は年々ふえてきているということも特色としてあると思います。そのような中で、新たに建築する警察署についてはいろいろな工夫があろうかと思うのですけれども、その設計上の工夫にはどのようなものがあったのか、まずお伺いいたします。

 

●営繕課長 今回の庁舎につきましては、警察組織といたしましては警務課、地域課、交通課、会計課、刑事課、生活安全課、それから警備課といった課が配置される予定でございます。特に、それぞれ関係が深い課同士を隣接して配置したりすることによって、相互の業務が円滑に行えるよう配慮するとともに、地域住民の方たちに接する機会の多い交通課のような課は1階に配置するなど、住民サービスの向上にも配慮した計画となっています。また、さまざまな方が出入りするという警察署の特性がございます。

相談者や被害者のプライバシーが保護できる動線や被留置者専用の動線を確保するなど、それぞれの機能や人の動きにあわせた形で設計したところが、今回、工夫した点でございます。

 

●渡辺 今までの富士吉田警察署は増築を重ねていて、いろいろな部署が転々としていて、免許の更新だとか地域のことを相談するのに結構迷う構造になっていましたので、その点が新しくなって大分改善されるという御説明を受けましたので、大変安心しているところであります。

最初に戻るのですけれども、もともとこの移転計画の発端となった老朽化と狭隘化の、この狭隘化の部分が心配な点でして、建物の延べ床面積ですとか、あるいは駐車場がどの程度ふえたのか。現警察署は大分狭くて、駐車場も足りないということは先ほど申し述べましたけれども、その点について、今の警察署と新しくつくる警察署を比較したときに、整備の規模や施設の整備の内容など、どの程度充実しているのか次にお伺いいたします。

 

●営繕課長 現在の警察署の規模等との比較でございますけれども、最初にまず敷地面積でございますけれども、現在、4,100平米程度ですが、今回、8,100平米ということで、大体2倍ぐらいの規模拡大になっています。それから、庁舎の面積につきましても、現在は複数ある庁舎を合計して大体2,800平米程度でございますが、これが今回4,750平米程度ということで、約1.7倍、1,900平米ほど増加します。また、駐車台数につきましても、現在84台程度なのですけれども、今回110台は確保するようにいたしまして、約1.3倍、26台の増になります。

さらに、先ほど説明させていただいたのですが、現在は本庁舎と分庁舎に分かれるような形で事務をしておりますが、新しい建物につきましては、各部署が同一の建物に入ることで、非常に使いやすい形になっています。そういったことで、旧来の庁舎に比べていろいろな面で執務環境が向上しているということでございます。

 

●渡辺 今、御説明を聞いて、駐車場等も1.3倍程度の増、十分です。この図面を見る限り、駐車スペースもふえて、大変喜ばしいと思っていますので、早期の完成が地元としても望まれるところであります。最後に、今回は本体工事だと思うのですけれども、この工事以外にも設備の工事や、最後に外構・舗装工事も今後出てくるかと思うのですけれども、最後に、警察署が完成するまでの今後の具体的な建設スケジュールについてお伺いいたします。

 

●営繕課長 今回、庁舎の本体の建築工事についてお諮りしているところでありますが、あわせて附帯する設備等の工事につきましては、現在、入札に付しておりまして、本体工事とあわせる形の中で順次、業者を決定しまして、こちらにつきましては、来年の12月までに完成する予定でございます。

 それ以外の附帯するもろもろの建物には、車庫、倉庫等、駐輪場等がございますけれども、これにつきましては来年度、平成30年度の6月ぐらいに発注を予定しておりまして、おおむね11月ぐらいまでをめどに完成させていきたいと考えております。

それから、敷地に隣接する署長公舎、副署長公舎につきましても、ほぼ同時期に建設工事を進めていきたいと思っております。また、外構、舗装、植栽等につきましては、来年度、平成30年の秋ぐらいから30年度の年度末にかけて工事をすすめ、平成30年度中には関係する工事につきましては完成させていきたいと考えております。

 

富士山火山災害時の安全な広域避難に向けての施設整備について

●渡辺 富士山火山災害時の安全な広域避難に向けての施設整備について、何点かお伺いいたします。富士山の噴火活動に伴い、直接的及び二次的な被害の発生が予想される中、平成28年3月に富士山火山防災対策協議会において、富士山火災広域避難計画が作成されたことは承知しております。その中で被害想定地域である富士北麓地域の住民は広域避難路により峡東地域や中北地域へ避難することとなっております。今年の8月20日に富士山火山防災協議会の防災訓練の中で、富士北麓6市町村が国中地域に避難するという、初めての広域避難訓練が行われました。そのときはちょうど8月20日の日曜日ということで、観光シーズンのトップシーズンということもあって、富士北麓地域、富士吉田市にとってみれば137号という大動脈が大変な渋滞になりまして、その渋滞の中には避難する方も含めて、観光客もいましたので、何キロにもわたる渋滞になったと聞いております。

 新聞報道には、富士吉田市内から国中地域の目的地まで通常30分程度ですけれども、この避難訓練のときは1時間15分ぐらい、2倍以上の時間がかかったとありました。また、2.5キロメートルの新倉河口湖トンネルの中に20分間ぐらいいたというような大変な渋滞になりました。その避難訓練に参加した人の中から、137号上には、新倉河口湖トンネルだけではなくて、小さいところも含めて5つトンネルがあるのですけれども、その中で携帯電話がつながりにくくなったと。そして、とあるトンネルではラジオも受信できないというような声を地元から伺いました。

そこで、広域避難路である国道137号のトンネル5つ、新倉河口湖トンネル、追坂トンネル、谷抜トンネル、山宮トンネル、新御坂トンネルについて、まず携帯電話がこの5つのトンネルの中で通じるのか、通信状況についてお伺いいたします。

 

●道路管理課長 携帯電話に関しましては、県土整備部の所管ではないのですが、広域避難路を決定するときに、吉田支所で調べた経緯があります。その中で、公益社団法人移動通信基盤整備協会が、委員の質問の5つのトンネルについて携帯電話の中継設備を整備したということを聞いた記憶があります。またそのときに、吉田管内にある18トンネルのうち、たしか13か14ぐらいは携帯電話がつながるということを聞いております。

 

●渡辺 私の申し上げた5つのトンネルでは携帯はつながる状態にはある。多分、避難訓練当日は回線が集中したか何かでつながりにくかったり切れたりしたという、多分そういうことだと思いますので、携帯は所管でもありませんし、まあ、それはいいとして、次に、災害時はきっと、訓練時よりもはるかに多い人数が避難しなければならないという中で、東日本大震災でも携帯での連絡がとりづらくなったり、ネットにつながらなくなったということも聞いておりますので、防災情報、災害情報等を聞く、知るためにはラジオも大変大事になってくると思うんですけれども、トンネル内のラジオの受信状況というのはどうなっているんですか。

 

●道路管理課長 新倉河口湖トンネルと新御坂トンネルについては、ラジオの再放送設備が整備されていますので受信は可能です。このラジオの再放送設備は、トンネル内での事故等の際に道路管理者により割込放送ができる設備になっておりますので、非常用設備ということで新御坂トンネルと新倉河口湖トンネルについては設置をされております。

 

●渡辺 新倉河口湖トンネルと新御坂トンネルはラジオが基本的には受信できる状態になっているという説明だったのですけれども、残りの3つ、トンネルの長さとしてはその2つに比べればはるかに短いかもしれませんけれども、山宮トンネル、谷抜トンネル、追坂トンネルの状況はどうなっているんでしょうか。

 

●道路管理課長 委員の質問の3つのトンネルについては、防災上の観点からいきますと、ラジオ再放送設備は必要ないということになっております。今後は避難訓練、広域避難時の課題を踏まえる中で、県内では幾つか実施しているのですが、AMラジオだけ入るという簡易的な設備も今後は検討していきたいと思っております。

 

●渡辺 道路の規格が違って、新倉河口湖トンネルと新御坂トンネルが2,500メートル前後のトンネルだとすれば、3つのトンネルのうち一番長い山宮トンネルでも800メートル程度で、谷抜トンネル、追坂トンネルは200メートルから300メートルと、大変短いとは思うのですけれども、ただ、災害が起きて避難するときに、特に谷抜トンネルと山宮トンネルは近接していますので2つ合わせれば1,000メートル以上ぐらいの距離になって、1キロぐらい全く渋滞で動けなくなる可能性も大いにあると思うんですよね。その中で携帯も通じにくくなって、ラジオも受信できないということですと、災害時に全く情報を入手することができなくなって、大変混乱を招くと思いますので、多分ラジオの設備はお金もかかると思いますので、ぜひ何とかAMラジオぐらいは受信できるような整備をしていただきますようよろしくお願いします。

 

道路のインフラ施設の老朽化について

●渡辺 道路のインフラ施設の老朽化について、何点かお伺いしたいと思います。高度経済成長期につくられた道路構造物が老朽化していっているという話は一般的になってきておりますけれども、その補修や更新を的確に実施していく中で、平成24年12月に笹子トンネルにおいて発生した天井板落下事故、死傷者が発生した事故として記憶に残っているところの、これを教訓に、教訓というか、これを契機に、国では平成25年道路法を改正して、平成26年より橋やトンネルなど、道路の交通に大きな支障を及ぼすおそれのある道路施設については、5年に一度目視で点検を行うことを義務化したと聞いております。また、円滑な道路管理の促進と道路構造物の予防、保全、老朽化対策を強化するため、市町村を含めた全ての道路管理者からなる山梨県道路メンテナンス会議が設置されたということも承知しております。そのような中で、県内においても、大分道路の橋やトンネルなどで老朽化が目立ってきており、最重要課題として老朽化対策に取り組まなければならないというのは承知している中で、県管理の道路のインフラ整備の老朽化対策について幾つか伺っていきたいと思います。まず初めに、5年に一度目視で点検して、どのように判定していくのかについて、その中身をまずお伺いします。

 

●道路管理課長 点検の結果につきましては、全国共通な仕様になっておりまして、1から4つの段階に分かれております。まず、判定1は健全な状態、判定2は予防保全の観点から措置を講ずることが望ましい状態、判定3は早期に措置を講ずべき状態、判定4は緊急に措置を講ずべき状態と、4つの段階に分かれており、橋もトンネルも同様でございます。

 

●渡辺 その4つの段階に点検して分けていく中で、全国的な進捗率と山梨県の進捗率の2つについて、今どういう進捗率になっているのかお伺いいたします。

 

●道路管理課長 この前のメンテナンス年報によりますと、全国の点検の実施率は橋梁で54%、トンネルは47%、道路付属物は57%という状況になっているところであります。それに対して、本県においては橋が58%、トンネルが38%、道路付属物が46%という状況になっているのですが、5年間をかけて橋、トンネル、道路付属物を一巡するという決まりになっておりますので、進捗率については、おおむね順調と考えているところであります。

 

●渡辺 順調に進んでいっているところとのことですが、さきに新聞報道で、この目視の判定結果で、県内に国交省のもので4カ所、多分4の判定だと思うんですが、最悪の判定を出されたところがあって、補修を完了したと書いてありますけれども、それでは県のほうで今、判定4のものがあるのかどうか。あるいは判定3ですとか、そういった補修を要するものが一体どれぐらいあるのか、県の施設管理の状況について次にお伺いいたします。

 

●道路管理課長 まず最初に、県の施設において、4判定は今までありません。3につきましては、橋梁で22橋、トンネルも同じく22が判定3となっております。

 

●渡辺 県内の県管理の施設には4判定はない。ということは、要するに緊急に補修をすべき施設はないということですけれども、ただ、3判定の早期に措置を講ずべき状態にあるものは、今、御説明のとおり、トンネルだと22トンネル、橋も22橋あるということですので、ぜひ速やかに、4判定ではないにしても、早急に措置を講ずるべきものですから、優先順位の高いものから順次補修を進めていっていただきたいと思います。

最後に、こうやって5年に一度目視による点検を行う以外に、道路施設の異常を早

期に発見する方法、補完する方法として何かあるのかお伺いして終わりにします。

 

●道路管理課長 特に橋梁については、5年に一度の詳細な点検とあわせて、年1回の日常点検を実施しております。その他の構造物につきましては、通常の道路パトロールを通じて監視をしているところであります。

 

平成29年6月土木森林環境委員会

相模川、多摩川流域における減災対策協議会について

●渡辺 本年6月2日の山梨日日新聞におきまして、減災への情報提供というような見出しで、県と富士・東部の14市町村とで、相模川、多摩川流域における減災対策協議会が設置されて、6月8日に第1回の協議会が開催されたとの記事が掲載されたわけなんですけれども、この協議会というのは具体的にどのようなものなのか、まずお伺いいたします。

 

●治水課長 この協議会につきましては、一昨年の関東・東北豪雨災害及び昨年の北海道、東北地方での大規模な豪雨災害を踏まえまして、全ての地域において水防災に対する取り組みを推進するよう国から助言を受けて設置をしたものでございます。

河川管理者の山梨県――富士・東部建設事務所になりますけれども――と流域の14市町村等が避難や水防活動などを中心に地域の取り組み方針を取りまとめるために設置をしたものでございます。

 

●渡辺 地域の防災などを取りまとめるという水害対策のソフト面の対策を、この協議会で協議していくというお話なんですけれども。ソフト面での対策というのも大変大切だと思いますが、ともに、やはりハード面の対策も非常に重要になってくるかと思います。

私も地元から、例えば護岸の整備ですとか、河川維持の管理にかかわる要望も多数受けているわけなんですけれども、こういったハード面についての対策についても、この協議会で協議されていかれるのか、次にお伺いいたします。

 

●治水課長  国におきましては、水防災に関する減災の基本的な考え方を、施設では守り切れない大洪水は必ず発生する、と意識を変えまして、社会全体でこの洪水氾濫に備える必要があるとしております。

 今回の協議会におきましては、この方針を踏まえまして、まずは現状の水害リスク情報や取り組み情報を共有するということが重要でありますので、検討する項目といたしましては、情報の伝達、それから避難計画等に関する事項や水防に関する事項といったソフト対策が中心になると考えております。

 

●渡辺 ちょっと残念なところはあるんですけれども。ソフト対策や情報の共有ですとか、実際の水害のときの避難対策等協議していく中で、きっと、そういったハード面での修繕だとか、管理の強化だとかという話も出てくると思いますので、そこに期待していきたいと思います。

 近年、大規模地震災害ですとか、私の地元の富士山の噴火、災害対策に注目される昨今ですけれども、ただいま御答弁にありましたように、水害は一昨年の栃木県の常総市の鬼怒川の氾濫ですとか、昨年の北海道、東北の集中豪雨による水害ですとか、毎年のように水害が起こっているわけでございます。

 したがいまして、先ほどの御説明のように、住民の適切な避難や水防活動を充実することは非常に大切であると私も考えておりまして、本協議会の活発な議論や取り組みが着実に進められることによって、少しでも水害対策に資するように、またソフト面、ハード面ともに充実していくように期待するところではあります。

最後に、今後の本協議会のスケジュールはどのようになっているのか、お伺いいたします。

 

●治水課長 今後のスケジュールですけれども、協議会の中に設置をしております実務者レベルの幹事会におきまして、さまざまな検討や調整を行いまして、本年度末を目標に地域の取り組み方針をまとめまして、今後5年間を目標に実施をしてまいりたいと考えております。

 

治山林道課の繰越明許費の設定について 

●渡辺 森の3ページ、治山林道課の繰越明許費の設定について何点かお伺いします。先ほどの御説明では、県全体で上半期に公共事業の約8割を執行する目標設定をしているということでしたけれども、この治山林道工事は上半期にどの程度の規模になるのか、まずお伺いいたします。

 

●治山林道課長  治山林道事業におきましては、工事箇所が山間奥地での工事となることから、従前から早期発注に心がけてきたところでございます。そういった中で、本年度の治山林道関係の事業では、当初予算額に前年度繰越額を加えた58億1,500万円余について、9月末までに、その約85%であります49億6,800万円余を執行することを目標としております。

 また、その内訳といたしましては、復旧治山事業や保安林改良事業などの治山費については、約90%の31億8,200万円余、林道開設や改良舗装事業などの林道費につきましては、約78%の17億8,600万円余の執行を見込んでいるところでございます。

 

●渡辺 速やかな事業執行は県内の経済の活性化に貢献する大変すばらしい取り組みだと思っておりますので、より多くの事業が早期に発注されて、基本的に年度末のほうに工事が集中して、年度当初の4月、5月の仕事が少ないと業者からもお話を聞きますので、ぜひとも進めていただきたいと思います。

ただいまの御説明の中で、全体は85%、治山工事は90%、しかし林道工事が

78%と、治山工事に比べて林道工事の上半期の執行率が低いような御説明でしたけれども、何か理由があれば、お伺いいたします。

 

●治山林道課長  治山工事に比べ、林道工事の執行目標が低いことについてですけれども、林道につきましては路線ごとで工事を行っております。

 現在、平成28年度からの繰越工事を行っている同様な路線につきましては、先に行けないという事情がありまして、その完成を待ってから先線の工事の発注を行わなければならないという事情がございまして、治山費に比べまして目標が低くなっているということでございます。

そういった理由でございますけれども、上半期の発注ができないこれらの路線につきましても、進捗管理は適切に行いまして、なるべく早く完成をさせるという努力をしていきたいと考えております 。

 

●渡辺 林道をつくっていて、その先の工事があるから、その手前の工事が完了するか、めどが立つまで工事が出せないというような話だと思うんですけれども、ぜひとも執行の目標値になるように適正な管理をしていただいて、早期に仕事が発注できるような体制をつくっていっていただきたいと思います。

 最後に、この繰越明許費を設定することによって、どのような効果が得られるのかをお伺いいたします。

 

●治山林道課長  従来、9月議会におきまして繰越明許費の設定をお願いしていたわけですけれども、今回、繰越明許費を設定すると9月に設定をするよりも約3か月ほど工事の発注を前倒しすることが可能となります。

 そういった中で早期の経済効果が期待できるということ、それから早期に発注をいたしますので、翌年度工事の年度内完成にもつながってまいりますので、繰越工事が縮減され、一層の早期執行が可能となると考えているところでございます。