平成28年度

平成28年11月10日~14日 決算特別委員会

平成28年8月18日 指定管理施設・出資法人調査特別委員会 会議録

◆議題

指定管理施設の管理の業務又は経理の状況及び県が出資している法人の経営状況の調査の件

◆審査の結果

出資法人については、いずれの法人もおおむね設立の趣旨や経営の改革プランに沿って一定の経営努力のもとに運営されていた。また、指定管理施設については、利用者の満足度も高く、いずれもおおむね効果的、効率的な運営がなされていた。

委員からは、改革プランを策定する出資法人が抱える多額の債務について、県民負担を少しでも軽減するための経営改善・努力をすべきである、また、指定管理施設については、短時間に震度7という大規模な地震が2度も発生した熊本地震を初め、全国各地で予期せぬ災害が頻発している状況も踏まえ、常に利用者の安全性の確保を最優先に考え的確な対応ができるようマニュアルの整備や訓練を実施する必要がある、などの意見が出された。

また、審査期間中に、相模原市の障害者施設において凄惨な殺傷事件が発生し、当委員会では直ちに、県がかかわる施設の管理運営について、さらなる安心・安全の確保に配慮されるよう緊急アピールを発し、危機管理の徹底を求めたところである。

県は、引き続き、指定管理施設及び出資法人がその目的に沿った運営が行われるよう、業務内容や経営状況等を徹底的に把握し、適切な指導監督に努めるとともに、県民誰もが理解可能な資料整備を図り、十分な説明責任を果たすよう求めるものとする。

 

◆審査の概要

午前10時から11時15分まで出資法人関係(途中、午前10時28分から10時49分まで休憩をはさんだ)、午後1時から3時45分まで指定管理施設関係(途中、午後2時6分から2時30分までと午後3時15分から3時40分まで休憩をはさんだ)の審査を行った。

◆質疑 清里の森管理公社について

●渡辺 部局審査の折には収支状況について幾つか質問をさせていただいたのですけれども、先日、現地調査に行きまして、現地を調査させていただき、設立が昭和60年と、その設立から34年が経過して、施設の老朽化が全体的に進んでいるという印象を受けました。そこで、県のほうがこの清里の森について再整備に取り組んでいるとお伺いしているのですけれども、ここで改めてこれまでの再整備の内容、そして今後の計画についてまずお伺いいたします。

 

●県有林課長 平成25年度から清里の森再整備事業に着手しておりまして、これまでに森の音楽堂の内外装の改修や、中の施設である可動式観客席とか舞台装置の更新などを行ったところであります。また、老朽化しました街路灯の更新なども行っております。今年度は、森のアスレチックの新設や、森の音楽堂の中で使用可能なドーム式の簡易プラネタリウムの導入などを計画しているところであります。明年度以降になりますが、バーベキュー場の新設、テニスコート、森の工房の改修などを行うという計画となっております。あわせまして別荘地内の道路、歩道等の改修も行ってまいりたいと考えています。

●渡辺 今、御答弁いただきまして、これまでの整備と、そして今後もバーベキュー場や道路等、歩道等の整備も進めていくということは理解いたしました。その中で、現地調査の折にも見させていただきました森の音楽堂も近年、再整備が進められていて、外観も大変美しくリニューアルがされておりまして、特に可動式といいますか、収納が可能な観客席ということで、今後、清里の森の公社の中でぜひ中心的な施設、中核的な施設として活用していっていただいて、さまざまな音楽のイベントですとか、今、プラネタリウムとお答えいただきましたけれども、そんなことにも活用していっていただきたいと思うのですけれども、そこで改めて、この森の音楽堂について施設の概要をお伺いするとともに、この音楽堂の今後の活用方法についてもう少し詳しくお伺いします。

 

●県有林課長 先ほど委員のほうからもありましたように、森の音楽堂につきましては、可動収納式の観客席が170席ございます。それ以外に通常の椅子が70席ありまして、それを設置しますと最大で242席になります。それと、観客席が可動収納式となっておりますので、音楽イベントだけではなく、卓球などの軽スポーツも楽しめる多目的な利用が可能な施設であります。また、施設の中にはプロジェクターも設置していまして、音楽鑑賞会等も行えるようになっています。先ほど話をしましたように、簡易式のプラネタリウムを今年度導入することを計画しておりますので、これらの施設を活用した新たなイベントを企画していきたいと考えているところであります。

 

●渡辺 今、御説明を聞いて、ぜひ、森の音楽堂を積極的に活用して、その稼働率を上げて、そこにいらっしゃる別荘の方々を満足させるだけではなく、他県から、あるいは県内からの観光客、あるいは訪問客を誘致していくような努力をぜひとも今後進めていっていただきたいと思います。森の音楽堂をはじめ、清里の森自体の整備計画が今後こういう展開で進んでいくということは御答弁の中で、施設の充実が今後も図られていくということをお答えいただいているのですけれども、部局審査のときもお伺いしたのですけれども、収支状況はやはり赤字ということで、今後、清里の森の管理公社の収支改善に向けて改めて県の御所見をお伺いして質問を終わらせていただきます。

 

●県有林課長 先ほども説明しましたが、リニューアルした森の音楽堂の新たなイベントの開催と、それ以外に、今後改修を予定しています森の工房、これは、木工や陶芸などが体験できる施設なのですが、そういうところの施設についてホームページなどで広報活動に努めるということ。それと、地元の観光団体や、地元開催のイベントなどと連携を図ることを考えているところであります。これによりまして、清里の森全体が活性化され、収支改善が図られるものと考えているところであります。

◆質疑 山梨県御勅使南公園について

●渡辺 御勅使南公園について、部局審査のときにも質問させていただきましたが、年々利用者の数もふえており、さらに、利用者の満足度も80%以上と、大変高い満足度になっているわけなんですけれども、まず初めに、今後さらなる満足度の向上に向けた取り組みと同時に、利用者をさらにふやすために、何かお考えのことがありましたらまず初めにお伺いいたします。

 

●都市計画課長 利用者増に向けましては、施設などのハード面、あるいは催し物等のソフト面の両方で対応していくことを考えております。まず、施設などのハード面につきましては、現在、公園内にありますラグビー場やクロスカントリーコース、健康遊具が配置されたストレッチコースなどのスポーツ施設、遊びや憩いの場を提供する広場や池、良好な緑地景観、環境を提供する赤松林などの施設について、利用者のニーズを把握しながら施設の見直しを図っていきたいとに考えております。また、催し物などのソフト面につきましては、現在、年間を通じましてマツクイムシの影響で園内の樹木の数が減っているため、アカマツを植樹する活動であります、みだい森の樹育てですとか、秋の遠足シーズンに希望する小学生がドングリの植えつけを行う、どんぐり課外授業、あるいは各種クロスカントリー大会への協賛などのイベント、講習会などを行っておりますけれども、利用者アンケートを通じまして、利用者のニーズを的確に把握しながらイベントの充実を図っていくことが今後も必要ではないかと考えているところでございます。

●渡辺 ただいまの答弁で、公園の利用者をより増加させるために、ハード面、ソフト面、施設の充実とイベント事等のソフト面をあわせて今後取り組んでいかれるということですけれども、去る7月に任天堂より発売されました「ポケモンGO」というアプリがございますけれども、全国的にこういった公園等でこのポケモンGO効果によって利用者が増加しているという新聞報道が昨今散見されますけれども、この御勅使南公園においてはそういった変化はあったのか、あるいはこのポケモンGOに対して何か今後、取り組み等を行っていく予定はあるのかお伺いいたします。

 

●都市計画課長 マスコミ等の報道があった際に、各公園を調査いたしまして、当御勅使南公園につきましてもゲームの影響で来場者がふえたことを確認している状況でございます。新聞等にもありましたけれども、ポケモンGOを道路上などよりは安全に楽しめる場所としてPRをしまして、公園の利用者増に結びつけていきたいと考えております。

 

●渡辺 ぜひこれを機会に公園のさらなる利用者の増に向けて、このポケモンGOを活用していっていただければと思う反面、全国的に、夕方から夜にかけてや、深夜に散策するという記事もよく見かけます。防犯対策の点もですけれども、アンケートの意見の中で、森林ゾーンにおいてはちょっとひとり歩きが怖いとのアンケート結果等も出ているのですけれども、今後の防犯対策についてはいかがでしょうか。

 

●都市計画課長 まず、現在は午前、午後、それぞれ1回ずつ、園内の巡視、パトロールを行っているわけですけれども、アンケートの御意見等を鑑みまして、この回数をふやすことや、あるいは防犯カメラの設置等を検討しているところでございます。ただし、防犯カメラにつきましては、管理棟と離れた場所であるために、ケーブルの設置等に大変費用が要するということもわかっておりますので、設置台数や設置箇所が課題となっている状況でございます。

 

●渡辺 ふえる利用者に対して安全を確保することは大切なことだと思いますので、費用等の問題もあろうかと思いますが、またぜひ慎重に検討してもらえればと思います。次の質問ですけど、平成26年に山梨県都市公園長寿化計画を策定したとお伺いしておりますけれども、御勅使南公園のこれまでの実績と将来の計画について最後にお伺いいたします。

 

●都市計画課長 平成26年度に策定いたしました山梨県都市公園長寿命化計画につきましては、施設ごとに健全度や緊急度等を考慮し、改修の優先順位をつけまして、費用の平準化を図るよう計画を策定しているところでございます。これまでに御勅使南公園につきましては健康の森ゾーンという場所があるのですけれども、そこのあずまや等の休養施設改修工事を実施している状況でございます。10年計画でございますので、将来計画としましては平成36年までに中央広場ゾーンの噴水施設やトイレの改修工事、遊具広場及び徒渉池という池があるのですけれども、こういうところにおきますあずまや等の休養施設の改修工事、あるいは園路の改修工事を計画している状況でございます。大変厳しい財政状況ではございますけれども、都市公園の安全・安心の視点から計画的な更新、補修を実施していきたいと考えているところでございます。

平成28年7月28日 指定管理施設・出資法人調査特別委員会 会議録

◆議題

指定管理施設の管理の業務又は経理の状況及び県が出資している法人の経営状況の調査の件

◆審査の概要

審査に先立ち、7月26日の部局審査において、山田委員の山梨県土地開発公社に関する質問について、宮崎地域創生・人口対策課長より答弁があった後に、山梨県環境整備事業団に関する答弁の訂正が、村松環境整備課長よりあった。

次に、午前10時9分から11時27分まで県民生活部、県土整備部、リニア交通局所管の指定管理施設関係、午後1時1分から午後2時15分まで教育委員会、福祉保健部、企業局所管の指定管理施設関係について審査を行った。

◆質疑 山梨県御勅使南公園関係について

●渡辺 376ページの4、利用状況、利用者満足度の状況のところを見ますと、御説明にもありましたように、昨年度より大幅に利用実績が増加していると。そして、その下の5、運営目標の達成状況も見ますと、来園者数、また、有料公園施設使用者も含めて目標値を達成しているというようなことが見てとれます。これの要因として、リニューアルしたこととともに、ホームページ、あるいはSNS等を活用して情報発信を行ったと記載がありますけれども、このうち、SNSについては幾つか種類があると思うのですけれども、具体的にどのSNSで、また、どのように発信したのかお伺いいたします。

 

●都市計画課長 委員の御意見のとおり、SNS、ソーシャルネットワーキングサービスとうのは交流サイトと呼ばれますインターネット上で情報交換するサービスのことでございます。このサービスを運営するソーシャルメディアにつきましては、委員もおっしゃるとおり幾つかの会社がありまして、代表的なものにはツイッター、あるいはフェイスブックといったものがございます。当公園ではフェイスブックを使って、この公園を登録している皆様に、その催しものの情報提供を随時行わせていただいているという状況でございます。

●渡辺 今後もそういった若者向けも含めてSNSを活用して、この施設の情報発信に努めていただければと思います。

続いて、378ページ、収支状況のところなのですけれども、そのうちの収入の部の中の、指定管理者委託料についてです。平成27年度は7,990万円余となっております。平成26年度は7,850万円余ですけれども、増加している理由はいかがでしょうか。

 

●都市計画課長 御勅使南公園の主な施設の中には、ラグビー場がございます。この芝生の管理は非常に重要だと考えておりますけれども、この芝生は2年から3年に一度、エアレーション作業というのを行う計画になっております。エアレーションというのは水はけの改善ですとか、根切りですとか、病気予防のため、地面に穴をあけて、地中へ空気を供給する作業のことを言いますけれども、これは毎年する必要はなくて、2年から3年に一度、芝の状況、グラウンドの状況を見ながら実施しているわけですけれども、たまたま平成26年度は実施する必要がない年度だと指定管理者、それから県のほうでは考えておりまして、7,800万円余という委託費で契約しましたけれども、27年度につきましては、このエアレーション作業が必要だということで7,900万円余の委託費となっています。

 

●渡辺 差額の140万円余の主な要因は理解いたしました。

続いて、同じところの支出の部分ですけれども、Bの支出額計の中で、一番最後のところに植栽管理費(直営分)と記載があります。そして、下のほうに行きますと、外部委託、外注として植栽管理という形で計上されていると思うんですけれども、そもそもなぜ直営と外部の区分けがあるのかという部分についてお伺いいたします。

 

●都市計画課長 指定管理者であります富士グリーンテックは植栽業務にたけた会社でございまして、基本的に植栽管理についてはグリーンテックが自社で管理できると考えておりますけれども、選定作業や草刈り作業などの植栽管理作業については、やはり必要な時期に作業を行わなければならないということがございまして、どうしてもこのように面積が広い公園等では作業が集中する時期には指定管理者だけでは対応できないという状況が生じてしまいます。そういったときに外部委託によって補っているために、直営部分と外部委託という形で経費の計上が出てきているということで御理解いただきたいと思います。

 

●渡辺 通常時の植栽管理については、この指定管理者が行っていけるけれども、ピーク時になると直営では足りないので外注で補うということで、総合的に年間のかかる費用等を考えて分けられたということで理解いたしました。

 続いて、380ページ、評価結果の部分の上から4つ目、収支状況のところの指定管理者の自己評価のところに、「光熱費はデマンド装置の設置でピーク電力を調整し、抑制しています」という記載がございますけれども、ちょっとまだよく理解できていませんので、具体的にはどのようなことを行ったのかお伺いいたします。

 

●都市計画課長 こういった公園等の電力の契約は、一般家庭の契約とは違って、法人対象の契約になりまして、当公園の電力の契約も、毎時刻々と変化していく需要電力の最大値によって契約電力が決定し、1年間の料金に反映される仕組みとなっております。これをデマンド料金制というふうに電力会社のほうでは言っております。ですから、この需要電力を監視するデマンド装置というものを設置しまして、最大値を抑える努力をすることで電気料の節減ができるということです。その最大値が大きくなってしまうと、1年間の基本料金が全て高くなってしまうので、できるだけピークが高くならないような形で運営をしていくと、電気料の節減につなげられるということのようです。具体的には、当公園ではラグビー場に日中散水する際に大きな電力を使うことになりますので、散水時にモニターを見ながら、目標値を超えないように努力しておりまして、もし超えそうなときには管理事務所のエアコンを切るなどして調整をして、ピーク電力が大きくならないような努力をしています。そういうことを一応ここで書かせていただいているということでございます。

 

●渡辺 節電に向けての努力は理解いたしました。それでは、次ですけれども、377ページの3番、補修工事等の状況、平成27年度を見ますと、この指定管理者が行ったもののみがここに4つほど記載されているんですけれども、先ほど御説明があったように、平成27年度には県が発注した工事はなかったと理解しておりますけれども、この施設も設置が昭和61年と、もう30年ぐらい経過しています。老朽化等が心配されるのですけれども、この施設については、老朽化対策については今までどういったことをされてきたのか、あるいは今後やる予定にどういったものがあるのかを最後にお伺いして質問を終わらせていただきます。

 

●都市計画課長 委員御指摘のとおり、調書に出しております377ページの平成27年度の補修工事の状況については、県が実施した補修工事の記載がないわけですけれども、これはたまたま27年に県が補修工事を行う必要がなかったということだけでありまして、例えば平成25年にはラグビー場のスタンドの改修を行っておりますし、平成21年度、22年度ぐらいには老朽化した遊具の改修も行っております。今後は、平成26年度に山梨県都市公園長寿命化計画を策定しておりますけれども、この計画に基づきまして計画的に老朽化施設への対応を行ってまいりたいと考えているところでございます。

平成28年7月26日 指定管理施設・出資法人調査特別委員会 会議録

◆議題

指定管理施設の管理の業務又は経理の状況及び県が出資している法人の経営状況の調査の件

◆審査の概要

 まず、本日の審査順序について、森林環境部、総合政策部、農政部、警察本部の順で行うこととし、審査を効率的に進めるため、部局審査では、各法人・施設の事務的な調査を詳細に行い、現地調査では、各法人・施設の役員等からの説明聴取と施設等調査を重点的に行うことが了承された。また、部局審査では、部長等は概要説明の後自室待機させ、必要に応じて出席を求めることとし、各法人の審査については実務担当者から説明を受けることが了承された。

 審査に先立ち、7月14日の委員会において山田委員及び佐藤委員が質問した県出資法人の収支等に関して、生涯学習文化課長から説明があった。

 午前10時13分から午前11時18分まで森林環境部所管の出資法人、午後1時から午後2時27分まで総合政策部、農政部、警察本部所管の出資法人の審査を行った。

◆質疑 (株)清里の森管理公社について

●渡辺 清里の森管理公社は株式会社ですので、言うまでもなく、安定した経営を行っていく上で収入の確保というものが大事になってくるのではと考える次第です。そこで、今、御説明にあったように、さまざまな事業を行っていると思うのですけれども、もう少し公社の主な収入について御説明いただければと思います。

 

●県有林課長 清里の森管理公社の収入ですが、主なものとしましてテニスコート、パークゴルフ場などの収益施設からの売上、それと別荘敷地内の草刈り、流木伐採のようなものを受託している受託料、あと、別荘住民からの共益費、テナント収入、別荘仲介手数料など、全て清里の森の管理経営より得られているものです。

 

●渡辺 収入については御説明いただいたとおり理解いたしました。次に、清里の森管理公社の経営状況についてお伺いしたいと思います。258ページの損益計算書の一番下に、当期純利益がございますけれども、ここがマイナス415万円余りという赤字になっていると思いますけれども、その主たる原因についてお聞かせください。

 

●県有林課長 258ページの決算状況を見ていただきますと、今、お話のありましたような形でございます。内容を精査しますと、テナントの撤退による賃料、あと、別荘仲介の低迷による手数料が減少したということ。それと、平成26年度の消費税率アップに基づきまして、今期決算にそれが反映されたということがございまして、支出も増加したことから、赤字決算となったということです。

 

●渡辺 今の説明で、赤字決算となった原因は理解いたしましたけれども、県としてこの赤字決算となった原因を分析して、平成28年度以降、収支改善に向けて、どのように具体的に取り組まれるのかお伺いいたします。

 

●県有林課長 先ほど申しましたように、テナントの撤退というのが非常に大きな赤字の原因となっています。そういうことも含めまして、店したテナント施設に1日も早く入居者が確保できるように、不動産情報サイトのようなホームページ等も活用しながら広報活動の強化を図っているところでございます。

 

 さらに、清里の森再整備事業で、森の音楽堂がリニューアルされておりますので、新たなイベントの開催や地元の観光団体等との連携を図る中で、そうした施設への観光客の集客を図り、収益施設の稼働率を向上させていきたいと考えております。それと、支出面において、水道光熱費等の一般管理費の抑制に今まで以上に努めてまいりたいと考えているところでございます。

 

●渡辺 平成28年度の収支改善計画についてお伺いいたしましたが、平成28年度は本年度になるわけですけれども、本年度はもう既に3カ月ほど経過しております。そこで、この3カ月、第1四半期における、今、御説明いただいた黒字化に対する取り組みはどのような進捗状況になっているのかを最後にお伺いして質問を終わらせていただきます。

 

●県有林課長 3カ月経過しました第1四半期の状況でございますけれども、前年度同時期と比較しますと、森の工房の利用者数の増加などによりまして、2.3%の増収という状況となってございます。

一方、支出の面でございますが、水道光熱費の節減などによりまして、5.7%の減ということでございます。一概には今、言えないわけですけれども、今後も引き続き営業努力等により収益施設の稼働率の向上でありますとか、水道光熱費などの一般管理費のさらなる削減に努めることによりまして収支改善に取り組んでまいりたいと考えてございます。

◆質疑 山梨県土地開発公社について

●渡辺 私のほうからは、市川三郷町の大塚地区拠点工業団地にかかる損害賠償請求訴訟について幾つかお伺いしたいと思います。まず初めに、この裁判の被告として伊藤建材株式会社と水上静雄さんを相手方としておりますけれども、この2者を相手方と特定した経緯について教えてください。

 

●地域創生・人口対策課長 この事案が発生しました平成24年度におきまして、実は我々、公社のみならず、法律家、あるいは大学教授等、外部有識者によります調査委員会を立ち上げました。

 その調査委員会の中で、事案が起きた、なぜ廃棄物が出てきたのか、そういったところの過去の経緯、土地の所有者から公社の関係者、あるいは県の担当者、そういうところに聞き取り調査をしていただきました。

 その調査委員会の中に法律家もいらっしゃることから、法的に誰にどこまで損害賠償請求が可能かというようなところも検討していただいたところ、実際、埋まっていた土地の中で伊藤建材株式会社につきましては、この会社は土木工事、あるいは建物の解体等をやっている会社でございまして、今回、市川三郷町の団地におきましては、盛り土をする際の土の運搬等をやっていただいた会社なのですけれども、その中に伊藤建材でないと入らないような廃棄物、具体的に申しますと菓子袋がございまして、そういったものが廃棄物から出てきたというところで特定に至ったというところでございます。

 もう1者は個人になります。水上静雄氏なんですけれども、こちらにつきましては従来から水道関係の事業を営んでおられた方なんですけれども、地主ということでして、もともとの土地を掘り進めてまいりますと、水道管等が出てきたということで、相手方の特定に至ったということです。この2者だけが、逆に言うと特定できたというわけでございまして、そういう形で裁判に至ったということでございます。

 

●渡辺 2者を特定した経緯については理解いたしました。それでは、この請求の請求額が両者をあわせて1億円強ということですけれども、先ほどの説明だと、この土地の修復工事にはもう少しお金がかかるということでしたけれども、なぜ1億円強の請求額にしたのか、その積算した経緯についてお伺いいたします。

 

●地域創生・人口対策課長 この事案が発生した区画につきましては、この区画全体で2.7ヘクタールほどある土地でございますけれども、実はこの土地、掘り返してみますと、若干の分布のばらつきはありますけれども、ほぼ全域から廃棄物が出てきたという状況です。ただし、廃棄物の中には、先ほど申しました伊藤建材あるいは水上さんを特定した理由のとおり、相手方が特定できた土地もあれば、逆に言うと、誰が埋めたか、それからもともと埋まっていたのか、そこが特定できないというところがございました。なので、区画全体2.7ヘクタール全体に対してかかった費用が全体費用ということで、このスキームに書いております6.5億円かかったということですが、伊藤建材、あるいは水上さんの部分の場所につきまして、実際にそこの部分を掘り返すのに要した経費というのを土の量、土量をベースに算定、積算をいたしまして、そこで裁判で訴えた額というのが1億円ということでございました。ほかの区画については相手方が特定できなかったことから、大変じくじたる思いでございますけれども、損害賠償請求には至らなかったというところでございます。

 

●渡辺 県が特定して積算した金額が、この用紙を見ますとほぼ100%認められていると。そして、判決額を見ますとほぼ請求額のとおりに近いような形で決定しているということなんですけれども、これを見ますと、県の主張が裁判の経緯の中で認められて、公社のこの土地に対する管理も別に問題がなかったというように理解してもよろしいんですか。

 

●地域創生・人口対策課長 この裁判の事案につきましては、委員御指摘のとおり、裁判所のほうからは、土地開発公社について責任はないということを判決の中で100%お認めいただいているという状況でございます。確かに、伊藤建材と水上さんの二者に対しましては、公社が知り得ない状況で廃棄物等が見つかったというところで、その二者との関係においては公社は知り得なかった、そこは責任はないという認定を裁判の過程においていただいているところでございますけれども、ただ、先ほど冒頭御説明いたしました、24年に設置した外部有識者委員会におきまして、土地全体の管理につきまして、公社の責任がないとは当然言っておらず、買収から売却までの間、十分な注意義務を果たしていない、不誠実な業務執行を行っていたと言わざるを得ない、そういったことで多大な損失を県民にかけているということについて猛省をすべきである、ということを厳しく指摘をいただいているというところでございまして、この裁判の事案とは関係のない部分につきましても、公社は土地全体として管理を徹底すべきであったと重く受けとめているところでございます。

 なので、公社としても、そういった外部有識者の指摘を踏まえながら、今後適切な業務改善策を策定して、今後、適切な土地管理を行ってまいりたいと考えているところでございます。

 

●渡辺 今の説明を聞いて、ぜひ今後も適切な土地管理を進めていっていただければと思います。そして、次に、裁判所から和解案が提示されているかと思います。ここに説明があるように、伊藤建材との間の和解案が成立したということが書かれておりますけれども、その金額が1,500万円という形になっております。判決額は1,750万円余ということになっているのですけれども、250万円余りの減額を受け入れて和解した経緯といいますか理由をお示しください。

 

●地域創生・人口対策課長 先ほど委員がおっしゃられたように、この和解案につきましては、控訴審の後、ただちに結審いたしまして、その場で和解をしたらどうかという申し入れが裁判所からあったところでございます。その後、裁判所のほうから具体的に、この額も含めまして、我々と相手方である伊藤建材に対して、和解案の提示があったというところでございます。この和解案につきましては、土地開発公社で担当していただいている顧問弁護士とも相談いたしました。まず、この裁判は、一審の判決を基本的に引き継いで、東京高裁のほうでも公社の責任はないと判断をしていただいているということ。また、仮に判決という形になりますと、相手方である伊藤建材がもし支払わなかった場合に、強制的な手段に訴えざるを得ないというところがありますけれども、和解ということになりますと、この額を支払うという伊藤建材の意思がはっきりしたところで、双方の合意によって1,500万円という額に決定していますので、より最短で、最も確実にお金を支払っていただけるというところで、我々としても和解を受け入れるという判断に至ったところでございます。

 

●渡辺 そういったもろもろの状況と、伊藤建材との和解の上で確実に支払っていただけるといった利益も含める形で和解に応じたということは理解いたしました。最後に、もう一方の水上静雄氏との間では和解が成立していない。また、水上さんに至っては和解に応じる意思がなさそうだというようなことが書かれておりますけれども、今後、県としてどういった対応をしていくのか、最後にお伺いいたします。

 

●地域創生・人口対策課長 水上氏につきましては、伊藤建材と同様、和解の話が裁判所からあったのではないかと推測されますけれども、相手方が和解のテーブルに着くことは現状ではないと聞いております。現状のままいきますと、8月4日に控訴審の判決が出ます。もし、その前段階で和解の話があれば別ですけれども、その控訴審の判決の内容を見て、具体的に対応するという形になります。伊藤建材との関係で申しますと、水上さんについても、我々のほうの損害賠償請求が一部認められるような形に決着するのではないかと思っておりまして、もし仮にそうなった場合、水上さんとも折衝する中で、なるたけ賠償額を払っていただけるような形で決着をしていきたいと考えているところでございます。

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