平成28年8月 指定管理施設・出資法人調査特別委員会

議 題

 指定管理施設の管理の業務又は経理の状況及び県が出資している法人の経営状況の調査の件

審査の結果

 出資法人については、いずれの法人もおおむね設立の趣旨や経営の改革プランに沿って一定の経営努力のもとに運営されていた。また、指定管理施設については、利用者の満足度も高く、いずれもおおむね効果的、効率的な運営がなされていた。
 委員からは、改革プランを策定する出資法人が抱える多額の債務について、県民負担を少しでも軽減するための経営改善・努力をすべきである、また、指定管理施設については、短時間に震度7という大規模な地震が2度も発生した熊本地震を初め、全国各地で予期せぬ災害が頻発している状況も踏まえ、常に利用者の安全性の確保を最優先に考え的確な対応ができるようマニュアルの整備や訓練を実施する必要がある、などの意見が出された。
 また、審査期間中に、相模原市の障害者施設において凄惨な殺傷事件が発生し、当委員会では直ちに、県がかかわる施設の管理運営について、さらなる安心・安全の確保に配慮されるよう緊急アピールを発し、危機管理の徹底を求めたところである。
 県は、引き続き、指定管理施設及び出資法人がその目的に沿った運営が行われるよう、業務内容や経営状況等を徹底的に把握し、適切な指導監督に努めるとともに、県民誰もが理解可能な資料整備を図り、十分な説明責任を果たすよう求めるものとする。

審査の概要

 午前10時から11時15分まで出資法人関係(途中、午前10時28分から10時49分まで休憩をはさんだ)、午後1時から3時45分まで指定管理施設関係(途中、午後2時6分から2時30分までと午後3時15分から3時40分まで休憩をはさんだ)の審査を行った。

質疑 清里の森管理公社について

 渡 辺 部局審査の折には収支状況について幾つか質問をさせていただいたのですけれども、先日、現地調査に行きまして、現地を調査させていただき、設立が昭和60年と、その設立から34年が経過して、施設の老朽化が全体的に進んでいるという印象を受けました。そこで、県のほうがこの清里の森について再整備に取り組んでいるとお伺いしているのですけれども、ここで改めてこれまでの再整備の内容、そして今後の計画についてまずお伺いいたします。

 県有林課長 平成25年度から清里の森再整備事業に着手しておりまして、これまでに森の音楽堂の内外装の改修や、中の施設である可動式観客席とか舞台装置の更新などを行ったところであります。また、老朽化しました街路灯の更新なども行っております。今年度は、森のアスレチックの新設や、森の音楽堂の中で使用可能なドーム式の簡易プラネタリウムの導入などを計画しているところであります。明年度以降になりますが、バーベキュー場の新設、テニスコート、森の工房の改修などを行うという計画となっております。あわせまして別荘地内の道路、歩道等の改修も行ってまいりたいと考えています。

 渡 辺 今、御答弁いただきまして、これまでの整備と、そして今後もバーベキュー場や道路等、歩道等の整備も進めていくということは理解いたしました。その中で、現地調査の折にも見させていただきました森の音楽堂も近年、再整備が進められていて、外観も大変美しくリニューアルがされておりまして、特に可動式といいますか、収納が可能な観客席ということで、今後、清里の森の公社の中でぜひ中心的な施設、中核的な施設として活用していっていただいて、さまざまな音楽のイベントですとか、今、プラネタリウムとお答えいただきましたけれども、そんなことにも活用していっていただきたいと思うのですけれども、そこで改めて、この森の音楽堂について施設の概要をお伺いするとともに、この音楽堂の今後の活用方法についてもう少し詳しくお伺いします。

 県有林課長 先ほど委員のほうからもありましたように、森の音楽堂につきましては、可動収納式の観客席が170席ございます。それ以外に通常の椅子が70席ありまして、それを設置しますと最大で242席になります。それと、観客席が可動収納式となっておりますので、音楽イベントだけではなく、卓球などの軽スポーツも楽しめる多目的な利用が可能な施設であります。また、施設の中にはプロジェクターも設置していまして、音楽鑑賞会等も行えるようになっています。先ほど話をしましたように、簡易式のプラネタリウムを今年度導入することを計画しておりますので、これらの施設を活用した新たなイベントを企画していきたいと考えているところであります。

 渡 辺 今、御説明を聞いて、ぜひ、森の音楽堂を積極的に活用して、その稼働率を上げて、そこにいらっしゃる別荘の方々を満足させるだけではなく、他県から、あるいは県内からの観光客、あるいは訪問客を誘致していくような努力をぜひとも今後進めていっていただきたいと思います。森の音楽堂をはじめ、清里の森自体の整備計画が今後こういう展開で進んでいくということは御答弁の中で、施設の充実が今後も図られていくということをお答えいただいているのですけれども、部局審査のときもお伺いしたのですけれども、収支状況はやはり赤字ということで、今後、清里の森の管理公社の収支改善に向けて改めて県の御所見をお伺いして質問を終わらせていただきます。

 県有林課長 先ほども説明しましたが、リニューアルした森の音楽堂の新たなイベントの開催と、それ以外に、今後改修を予定しています森の工房、これは、木工や陶芸などが体験できる施設なのですが、そういうところの施設についてホームページなどで広報活動に努めるということ。それと、地元の観光団体や、地元開催のイベントなどと連携を図ることを考えているところであります。これによりまして、清里の森全体が活性化され、収支改善が図られるものと考えているところであります。

質疑 山梨県御勅使南公園について

 渡 辺 御勅使南公園について、部局審査のときにも質問させていただきましたが、年々利用者の数もふえており、さらに、利用者の満足度も80%以上と、大変高い満足度になっているわけなんですけれども、まず初めに、今後さらなる満足度の向上に向けた取り組みと同時に、利用者をさらにふやすために、何かお考えのことがありましたらまず初めにお伺いいたします。

 都市計画課長 利用者増に向けましては、施設などのハード面、あるいは催し物等のソフト面の両方で対応していくことを考えております。まず、施設などのハード面につきましては、現在、公園内にありますラグビー場やクロスカントリーコース、健康遊具が配置されたストレッチコースなどのスポーツ施設、遊びや憩いの場を提供する広場や池、良好な緑地景観、環境を提供する赤松林などの施設について、利用者のニーズを把握しながら施設の見直しを図っていきたいとに考えております。また、催し物などのソフト面につきましては、現在、年間を通じましてマツクイムシの影響で園内の樹木の数が減っているため、アカマツを植樹する活動であります、みだい森の樹育てですとか、秋の遠足シーズンに希望する小学生がドングリの植えつけを行う、どんぐり課外授業、あるいは各種クロスカントリー大会への協賛などのイベント、講習会などを行っておりますけれども、利用者アンケートを通じまして、利用者のニーズを的確に把握しながらイベントの充実を図っていくことが今後も必要ではないかと考えているところでございます。

 渡 辺 ただいまの答弁で、公園の利用者をより増加させるために、ハード面、ソフト面、施設の充実とイベント事等のソフト面をあわせて今後取り組んでいかれるということですけれども、去る7月に任天堂より発売されました「ポケモンGO」というアプリがございますけれども、全国的にこういった公園等でこのポケモンGO効果によって利用者が増加しているという新聞報道が昨今散見されますけれども、この御勅使南公園においてはそういった変化はあったのか、あるいはこのポケモンGOに対して何か今後、取り組み等を行っていく予定はあるのかお伺いいたします。

 都市計画課長 マスコミ等の報道があった際に、各公園を調査いたしまして、当御勅使南公園につきましてもゲームの影響で来場者がふえたことを確認している状況でございます。新聞等にもありましたけれども、ポケモンGOを道路上などよりは安全に楽しめる場所としてPRをしまして、公園の利用者増に結びつけていきたいと考えております。

 渡 辺 ぜひこれを機会に公園のさらなる利用者の増に向けて、このポケモンGOを活用していっていただければと思う反面、全国的に、夕方から夜にかけてや、深夜に散策するという記事もよく見かけます。防犯対策の点もですけれども、アンケートの意見の中で、森林ゾーンにおいてはちょっとひとり歩きが怖いとのアンケート結果等も出ているのですけれども、今後の防犯対策についてはいかがでしょうか。

 都市計画課長 まず、現在は午前、午後、それぞれ1回ずつ、園内の巡視、パトロールを行っているわけですけれども、アンケートの御意見等を鑑みまして、この回数をふやすことや、あるいは防犯カメラの設置等を検討しているところでございます。ただし、防犯カメラにつきましては、管理棟と離れた場所であるために、ケーブルの設置等に大変費用が要するということもわかっておりますので、設置台数や設置箇所が課題となっている状況でございます。

 渡 辺 ふえる利用者に対して安全を確保することは大切なことだと思いますので、費用等の問題もあろうかと思いますが、またぜひ慎重に検討してもらえればと思います。次の質問ですけど、平成26年に山梨県都市公園長寿化計画を策定したとお伺いしておりますけれども、御勅使南公園のこれまでの実績と将来の計画について最後にお伺いいたします。

 都市計画課長 平成26年度に策定いたしました山梨県都市公園長寿命化計画につきましては、施設ごとに健全度や緊急度等を考慮し、改修の優先順位をつけまして、費用の平準化を図るよう計画を策定しているところでございます。これまでに御勅使南公園につきましては健康の森ゾーンという場所があるのですけれども、そこのあずまや等の休養施設改修工事を実施している状況でございます。10年計画でございますので、将来計画としましては平成36年までに中央広場ゾーンの噴水施設やトイレの改修工事、遊具広場及び徒渉池という池があるのですけれども、こういうところにおきますあずまや等の休養施設の改修工事、あるいは園路の改修工事を計画している状況でございます。大変厳しい財政状況ではございますけれども、都市公園の安全・安心の視点から計画的な更新、補修を実施していきたいと考えているところでございます。