平成28年11月 決算特別委員会

ドクターヘリの効果的運用について

 渡 辺 ドクターヘリの運用を開始して数年がたちまして、私の地元でも大分会話の中でその運用状況なんかが話題に乗ることも多くなってまいりました。ドクターヘリの出動回数430回及び散水不要ランデブーポイントの確保186カ所(12増)と記載されておりますけれども、この430回及び186カ所の地域別の状況をまずお伺いいたします。

 福祉保健部次長 ドクターヘリの平成27年度出動回数の地域別の内訳でございますが、医療圏ごとに整理をいたしますと、中北医療圏で130件、全体の30%でございます。峡東医療圏で59件、同じく全体の14%、峡南医療圏で53件、全体の12%、富士・東部医療圏で175件、全体の41%、その他といたしまして、これは他県等に搬送したケースですが、13件、全体の3%、このような状況になってございます。なお、平成27年度と26年度を比較いたしますと、総数では平成26年度が420件とありますところ、平成27年度が430件ということで、ほぼ同水準で26、27年度が推移しているというところでございます。
 続きまして、ランデブーポイント186カ所でございます。まずランデブーポイントとしましては、ヘリコプターが効率よく離着陸をするためには、消防隊等によります散水を必要としない芝生あるいはアスファルトという、いわゆる散水不要ランデブーポイントの整備が望まれているところでございますが、こちらが186カ所、山梨県内に平成27年度末までに整備がされてございます。その医療圏ごとの内訳でございますが、中北医療圏で97カ所、これは前年度に比べまして7カ所の増となってございます。峡東医療圏では20カ所、前年度に比べまして1カ所の増でございます。峡南医療圏では34カ所、前年度に比べて2カ所の増でございます。富士・東部医療圏では35カ所、前年度に比べて2カ所の増、全体で12カ所の散水不要のランデブーポイントの増加ということでその整備に努めているところでございます。

 渡 辺 御説明ありがとうございました。ドクターヘリの出動回数を見ますと、やはり人口の多い中北が多いんですけれども、それ以上に私の地元の富士・東部圏域が41%と大分多い印象を受けます。また、これによってドクターヘリの運用前までは低かった救命率が、ドクターヘリの運用によって富士・東部地域はかなり向上されているというようなことがうかがえます。そんな中で、ランデブーポイントの場所なんですけれども、中北が97カ所に対して富士・東部が35カ所とまだまだ散水不要ランデブーポイントは富士・東部地域の整備が進んでいないような状況がうかがえますので、引き続き、散水不要なランデブーポイントの整備等を進めていっていただければと思っております。
 続きまして、ドクターヘリの効果的運用の説明にある、県民全てに高度な救急医療を提供する体制が確保され、救命率の向上に寄与したと記載されておりますけれども、具体的に救命率の向上というのはどのような成果があったのか次にお伺いいたします。

 福祉保健部次長 救命率の向上についてでございますが、一般的に救命率と申しますと、心肺機能停止の傷病の患者様の1カ月後の生存率がどのぐらいかということを示している場合もございますが、この成果説明書にございます本県のドクターヘリの効果の結果として公表してございます救命率につきましては、ドクターヘリで救急現場から救命救急センターに搬送されました患者さんのうち、搬送時に生存している方の割合を出しているものでございます。
 ドクターヘリの導入に当たりましては、その運用の見込みとか導入効果等を検証するため、平成21年度でございましたが、日中に救急車で病院に搬送されました重症患者を対象に搬送状況の調査をいたしました。その調査結果によりますと、救急現場から病院に搬送されました重症患者様のうち、病院到着時に生存していた方の割合は63.2%という数字だったところでございます。これに対しまして、先ほど申し上げました本県のドクターヘリの救命率ということになりますと、救急現場から病院等へ搬送された時点で生存していた患者様ということですので、27年度実績で95.5%ということで非常に高い救命率となっているところでございます。この両者の数字は単純に比較はできませんが、ドクターヘリの運用は、重症・重篤の患者様の救命率の向上には大きく寄与しているというものと考えているところでございます。

 渡 辺 救命率について、平成21年度のドクターヘリ運用前は63%程度だったものに対して、単純比較はできないとの御説明だったんですけれども、ドクターヘリの導入後は95.5%と飛躍的に向上されているということで、その中でも特に距離的に遠いところにあります富士・東部地域とか、あるいは峡南地域については、本当に地域にとって効果的な運用がなされているということで、そこに住まう1人としても大変感謝しております。しかしながら、ドクターヘリも、導入前から指摘されていますとおり、視界不良の状態、天候が悪かったりとか夜間とかそういった場合には運用できないという問題点も指摘されている中で、また、ドクターヘリを導入してもなお地域間における救急医療の格差があるというような状況もございます。そのような中で、今後の富士・東部地域への救急医療確保の取り組みについて、全体的に最後にお伺いいたします。

 福祉保健部次長 富士・東部地域でドクターヘリを活用しました救急医療の提供ということになってまいりますと、課題といたしましてございますのが、委員御指摘のとおり、ドクターヘリが昼間、有視界、視界がある中でなければ運航ができないということ、さらに天候不順時、濃霧等で視界が妨げられる場合には運航ができないということがございます。 こうした場合に、富士・東部地域のドクターヘリを活用するような救急医療をどのように確保していくのかということにつきましては、平成14年度から近県の共同運航に参加をしているところでございます。現在は3県広域連携ということで、神奈川県、静岡県、山梨県の3県でお互いにカバーをし合いましょうということで連携協定を結んでございます。これによりまして、平成27年度におきましては、富士・東部地域におきまして7件、神奈川県からのヘリによります救急患者さんのドクターヘリによる搬送がございました。
 また、天候不良時ですと、ヘリがどうしても仮に共同運航なんかでも行けない場合、あるいは夜間というような場合はヘリが飛べないというわけでございますが、そういった場合に、富士・東部地域から救急車を利用しまして中央道を利用して搬送した場合、峡東地域で昼間であればドクターヘリとランデブーができますように、26年度には勝沼インターの管理ヤードをランデブーポイントとして利用できるように確保しているところでございます。
 また、夜間ヘリが飛べないときには、県立中央病院にドクターカーがございます。年間で474件の出動がございますが、平成27年度におきましては、富士・東部地域に31件出動して、医師が乗車したドクターカーで救急医療の提供ができるようにということで取り組んでいるところでございます。
 さらに、昨年度から着手いたしましたドクターヘリの給油基地の整備に関する事業でございますが、昨年度調査を行いまして、今年度補正予算によりまして新たな給油基地を県立中央病院に整備するということで現在取り組んでいるところでございます。この整備が可能になりますと、ドクターヘリは出動の都度、双葉の給油基地に戻って給油をして出動に備えるということを余儀なくされているところでございますが、出動の都度双葉に行くことなく中央病院でそのまま給油ができるということになりますと、現在は双葉へ行って給油して帰ってくる時間が14分でございますが、これが直接給油ということになりますと5分の給油時間だけで出動が可能となるということで、9分間の連続出動時間の短縮が図られるということでございます。こうしたことによりまして、富士・東部地域の県民の皆様をはじめ県内全域でのドクターヘリの医療提供の迅速化に努めていくということで取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。

企業立地の促進について

 渡 辺 企業立地の促進について何点かお伺いいたします。人口減少問題に対する施策として、若者の県内定着を促す上で、やはり働く場所の確保、雇用の確保というものが大変重要になってきていると考えております。そのような中で、この工場を誘致する、あるいは既存の工場を拡張して県内の企業の促進をしていくという過程で、主要施策成果説明書の産業立地促進の4行目にあります、平成27年は14件の工場立地が進んだという記載に対して、産業集積促進助成金で立地企業に対して支援したのが27年度は4社であったと。そして決算額が5億円余というような記載がありますけれども、この3点について具体的な説明をまずお伺いいたします。

 企業立地・支援課長 まず、工場立地の14件でございますけれども、これは工場立地法に基づき、国が県の協力を得て行っている統計調査の結果ということでございます。具体的には、平成27年の1月から12月までの間に1,000平米以上の土地を新規に取得した企業数ということでございます。これは全国で一律で行います客観的な調査でございまして、以前より指標として使わせていただいております。なお、統計法の第19条の中で、調査結果の公表が禁じられておりますので、この場で企業名を公表することはできません。ぜひ御理解いただきたいと思います。
 それから、産業集積促進助成金の内容ということでございますけれども、これについては平成27年に交付した企業はそこにありますように4社でございます。具体的には、1つ目がシチズンファインデバイス、交付金額が7,680万6,000円でございます。それに伴います新規雇用が16名。それから2つ目が三協精密という会社でございまして、交付金額が1億1,047万4,000円でございます。新規雇用は22名でございます。それから、3つ目がJMエナジーという会社でございまして、これが1億5,406万円でございます。新規雇用が18名でございます。それから4つ目が山梨積水という会社でございまして、交付金額が1億6,333万2,000円でございます。新規雇用が14名でございます。4社合わせまして交付金額合計が5億467万2,000円、新規雇用数が70名という内訳になっております。

 渡 辺 御説明いただきありがとうございました。ちょっと14件の工場立地と4社の関係性がいまひとつ理解できていませんでしたので御質問させていただいたのですけれども、助成金で4社、雇用の人数も説明していただきまして、この産業助成金で多く県内で雇用の促進が進んだという認識をいたしまして、今後とも進めていっていただきたいと思うのですけれども、この産業助成金の27年の4社で、県内経済への与える影響というものをどう考えているのか次にお伺いいたします。

 企業立地・支援課長 雇用の確保と、それから県内経済の影響という御質問でございます。
 先ほども申し上げましたように、助成金の交付企業については操業開始時点で70名を雇用していただいております。この助成金の狙いといたしましては、雇用もございますけれども、それ以外に法人事業税、法人県民税などの県税、それから固定資産税などの市町村税、これらの税が今後、継続的に県や市町村に入ってくるということがまずございます。    それから、70名雇用していただいた従業員の所得の増加、それから、それに伴います消費の拡大、あるいはこの進出あるいは規模拡大していただいた企業さんの下請中小企業への発注が大幅に増加すると。そのようなことを県内経済への大きな波及効果があるものと、そのように考えております。

 渡 辺 説明していただきましたように、やはり企業立地が進んで、県内企業の工場拡張が増えていくと、若者の働く場所、雇用の確保のみならず、いろいろなところに経済効果が波及していくということですので、ぜひ今後も積極的に進めていっていただきたいと考えているのですけれども、この前段階として、この企業立地を進めていく上で、県内外の企業を訪問されているという、それが延べ467社と記載されているのですけれども、これを行っていく上で助成金の活用につながっていっているというようなふうに考えておりますけれども、延べ467社、県内外とありますが、県内何社、あるいは県外何社ということをまず教えていただきまして、どういった成果があったのか、次にお伺いいたします。

 企業立地・支援課長 467件の企業訪問の内訳でございますけれども、県内企業の訪問が208社、県外企業の訪問が259社という状況でございます。
 企業訪問の目的といたしましては、御指摘のとおり2つございまして、一つは県外企業の誘致、これはもちろんでございますけれども、それと加えまして県内企業の支援というのは、県内企業の事業拡張を誘導するという大きな目的がございます。この県内企業の拡張の支援というものも同じく非常に重要なことでありますので、これへのサポートや、それから困りごとへの相談など、産業労働部がワンストップ窓口となりまして、積極的に応じてまいりたいと思っております。これによりまして若者の雇用の場の確保、そのようなところにつなげていきたいと、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 渡 辺 ぜひ、各企業の訪問をしていただいて、企業のニーズというものを的確に把し て、きめ細かい政策をとっていただきたいというお願いをして質問を終わらせていただきます。