令和5年6月定例議会 総務委員会

富士山有料道路管理費補助金について

 渡 辺 富士山登山鉄道構想化検討費について、何点かお伺いさせていただきたいと思います。
 まず、富士山鉄道についてですけれども、私が思うに、この議論の出発点は、世界遺産に登録されて、今年で10周年という中、保全状況報告書も提出してきた中で、ユネスコ、あるいはイコモスからさまざまな指摘もあったと承知しております。
 その中で、一つは来訪者の管理、コロナ禍前の30万人に迫るほどに、多くの観光客の方にうれしい反面もあったわけですけども、来ていただいておりました。
 その中で過度に集中する時間帯も多発していたということ。特に御来光を見るために山頂に行く。山頂は富士山銀座と呼ばれる中で、いろいろな方々が登って、山頂にて御来光を見るということがあり、事故等の防災面とか安全面とかも含めて、来訪者を少しコントロールしていったほうがいいのではないかという指摘を長年受けてきております。
 一方で、この富士山というものは地元にとって、とても身近なものではありますが、冬季は雪等の影響でスバルラインも閉鎖されますし、そういう面で富士北麓地域の冬季の観光というものは落ち込んできたところが経緯としてあります。
 冬季観光をどのように今後振興していったらいいのかという中で、古くから冬季も鉄道で五合目まで行くことが可能性としてはできる。そんな技術的なことも含めて取り沙汰されてきたと私は捉えております。そこで、こういった背景の中で、これは検討費としてのってきているとは思うんですけれども、まだまだ地元に対する理解等も進んでないのが現状です。
 そんな中で幾つも課題があろうかと思います。よく言われている防災面での課題です。あるいはスバルラインは急カーブ等ありますので、電車で果たして急カーブを曲がっていけるのか、スイッチバックにするのか、そういったことも踏まえる。あとは法制度の面等、さまざまな課題、そして事業主体、多額になるであろう事業費をどう捻出していくのか。そういった多々検討していかなければならない課題が山積していることは御承知のとおりだと思います。
 その中で、先ほどの予算の説明では、なかなかこの内容についてまではよくわかりませんでしたので、まず、この検討委員会の開催費の内容についてお伺いしたいと思います。

 知事政策局次長 今回の構想化検討費、委員から御指摘がございましたように、有識者により構成する検討委員会、それから技術的及び法制度等についての課題を検討する調査委託費、また、鉄道事業の実施に当たり、官民双方にメリットがある手法を調査検討する経費、こういったものを盛りまして、調査検討費といたしましては、小計で2,149万2,000円でございます。
 また、この6,200万円余の中には合意形成に要する経費、それから五合目来訪者への意識調査をする経費も含まれてございます。

 渡 辺 検討していかなければならない中で、なぜかというのは、先ほど私が申し上げたとおり、まだまだ技術的なことも含めて、あるいは今後の方向性も含めて、検討していかなければならない事項が山積しているからこそ、専門家の、技術的なことは特にですけれども、見地が必要になってくる。
 日本全国、あれほどの高度のところにLRTで鉄道を敷設したという事例はありませんので、そういった面も含めて日本初と、やるとすればですけど、そういうことになると思いますので、そこはじっくり、本当に鉄道が富士山に敷設できるのかどうかということも含めて、ゆっくりじっくり、有識者を交えて検討していっていただきたいなと思っています。
 もちろん鉄道ありきではないということは、富士山登山鉄道構想だったとき、私が本会議で何度かお伺いし、知事の答弁でも、五合目のあり方を考えていく中での一つの県の考える案だというような話もしていただいております。
 そもそもイコモスから指摘されているとおり、地元としても麓から五合目までのアクセスを今のままの状態、もちろんマイカー規制などもしていますけれども、やはり一般車両は、マイカー規制期間以外は通行していますので、排気ガスによるCO2等の問題も大いにあります。現状のままではよくないのだろうと思っているところもあります。
 また代表質問でもありましたとおり、富士山にはスバルラインの料金所ぐらいまでしか電気もないわけです。五合目、その上の山小屋も含めて、燃料を燃やして発電しているので、そういったCO2も出ていると。
 この問題については、来訪者の管理の点、そしてCO2の削減、環境保全の点について、地元としても麓から五合目までのアクセスをどのように考えていくかという問題については避けては通れない。将来的に富士山を保全管理していく、そして後世に伝えていくという我々の責務になっているわけですから、そこは避けて通れないので、しっかりとそこら辺も含めて、鉄道ありきではなく、さまざまな移動手段、今回も違うグループですけれども、空飛ぶクルマという、未来の移動手段もあったりしますので、それはさて置いて、バスも当然検討、電気バス、燃料電池バス等も今走っていますので、それを使っても、確かに来訪者の管理はできないこともないとは思っているんです。
 そこも全て含めて、さまざまな角度から、さまざまな見地から、麓から五合目へのアクセスのあり方というものを山梨県として富士山をしっかりと管理して、山梨県として考えていっていただきたいと思っております。
 その点で今現在の技術的な課題というものを県としてどのように捉えられているのか、改めてお伺いしたいと思います。

 知事政策局次長  ただいまの現状の登山鉄道構想における課題についてお答えいたします。
 まず、富士山の厳冬期を含めた登坂性能、それから制動性能を検証する必要があると考えております。また、富士山の景観に配慮して架線レスシステムを導入する予定でございますが、それが実際に富士山で機能し得るのかということも検証する必要があると考えております。

 渡 辺 現時点においては、鉄道は今挙げられた中でも課題があると。本当に実現可能なのかどうか、まさにこれから検討していくんだということと承知しております。ぜひ、ほかの交通手段等も含めて比較考量しながら検討をしていっていただければと、地元としては思っております。
 次に、これが地元の方からいろいろな意見があるというのは、地元とのコンセンサスが得られていないからだと、機運が醸成していないから、こういった県の考え方が地元にちゃんと伝わってないからだと私は思っています。確かにコロナ禍があって、県としても意欲的に地元説明会等も行おうとしましたが、なかなか丁寧な説明ができなかったことは、確かに承知はしておりますけれども、今現在においては、地元の理解が得られてないというのは現実だと思っています。
 であればこそ、今回、恐らくそれについてだと思うんですけれども、予算を盛っているコンセンサス形成事業だと思います。これについてまず話をしていくんですけれども、その前に官民連携方策検討調査委託費があると聞いているんですが、これは国補でほとんど賄うものですけれども、この国補がどういったものなのかということも含めて、官民連携方策検討調査委託費について、官民双方ともにメリットがあるというのは、どのようなことを言うのか、お伺いしたいと思います。

 知事政策局次長 登山鉄道を導入するに当たり、公費負担を最小化しつつ、民間事業者が積極的に参入できるよう、周辺の県有地を活用した収益事業とのパッケージ化や、自然災害や需要変動に伴う公平なリスク負担のあり方を検討し、官民双方にメリットのある事業スキームを検討するものでございます。
 そして、本事業に予定となっておりますのは、国交省の令和5年度先導的官民連携支援事業補助金でございます。

 渡 辺 国交省の補助金が使えるということで、これは積極的に活用してもらって、当然、これだけの大きな事業ですので、国とよく話をしてもらいながら、国の使える予算があれば使っていただいて、検討に資する検討を進めてもらいたいと思いますけれども、そこも踏まえて、次のコンセンサス形成事業ですが、地元の理解が得られていないことについて、これを活用しながら、こちらの課別にもあるとおり、コンセンサスの形成だけなので、とりあえず事業の内容をお伺いします。

 知事政策局次長 コンセンサス形成事業につきましては、富士山登山鉄道構想の事業化に向けた機運の醸成と、富士山の観光や環境のあり方について、将来どのようにしていくべきかのコンセンサスを形成するため、住民説明会やシンポジウムの開催のほか、国内外のメディアに情報を発信し、積極的に取材いただくとともに、登山鉄道構想の目的や効果をPRする動画を作成したいと考えております。

 渡 辺 こちらも国補を使うと聞いているんですけれども、こっちの国補は一体どういう内容になるんですか。

 知事政策局次長 こちらはコロナの臨時交付金でございます。

 渡 辺 コロナの臨時交付金はさまざまなことに使えるんだなと常々思いますけれども、地元の合意形成というものが何よりもこれは大事だと思うんです。
 今、地元は戸惑っているんです。今、話の中で、鉄道ありきではないとおっしゃられながらも、地元としては鉄道つくるみたいな形で受けとめる方も多くいらっしゃっているので、そういった部分は理解を得て、建設するのであれば機運も醸成していくという、まさにそういったプロセスが大いに必要になってくるんだと思います。なぜバスではなくて鉄道なのか。鉄道のメリットは一体何なのか。検討の過程から、比較の段階から地元に対して丁寧に説明をしていくことが必要なんだと思います。
 ぜひ、動画もしっかりつくっていただいて、地元との細やかな意見交換もしていただいて、御意見も聞いていただいて、私はこの検討費を、鉄道という名前ですけれども、私の捉え方としては麓から五合目までのアクセスを山梨県としてどのように考えていくんだということの出発点だと捉えておりますので、そこはぜひ、今までコロナ禍でなかなか地元とも合意形成ができなかったと思いますので、しっかりとこれは地元との合意形成をしていくという意思を県として見せていただきたいんですけども、その点について所見を伺います。

 知事政策局次長 今年度は既に知事みずから山小屋組合の皆さんと意見交換を行ったほか、この予算案公表と同時に、地元市町村長等に対しまして説明を行ったところでございます。今後は調査検討の中間報告に基づき、説明会やシンポジウムを開催し、地元に対してより詳しい説明を行ってまいりたいと考えております。

 渡 辺 ぜひよろしくお願いいたします。私は地元から聞かれるときに、まだ鉄道の是非を問う段階ではないんだと。検討の段階で、さまざまなほかの交通手段も含める中で、県としては現時点においては、最も有効な手段として提案しているだけで、これから先、しっかりと議論をしていく段階なので、皆さん方もぜひ興味、関心を持っていただいて、今後、未来に対して富士山を保全して継承していくといった御意見を下さいというお話をしていますので、ぜひそんな機会を多くつくっていただきたいと思います。
 一方で、来訪者をコントロールしていかなければならないんですけれども、富士山は単なる観光地ではないことは、皆さんは御承知だと思っています。世界遺産になった信仰の対象であり芸術の源泉、特に信仰の対象としての富士山は、大きな比重を占めていると思っています。
 これが普通の例えば観光地であれば、来過ぎるから、ごみの問題だとか、トイレの問題とかもあるので、ただ単に入場規制すればいいと思うかもしれませんけれども、信仰の対象として、古来より登っていらっしゃる方も多々いるんです。そういう人まで排除すると、それはそれで問題だと思っています。
 また一方で、地元の人はなれ親しんだ富士山に定期的に登っている方も多数いらっしゃいます。それを信仰と捉えるのかどうかはともかくとして、そういった方もいらっしゃいますので、ただ単純に入場規制すればいいということでもないと思うんです。
 来訪者管理計画はつくりながらも、一方で信仰の対象としての富士山を重んじている方々のために、富士吉田市は特に吉田口登山道から五合目まで至る道の整備をこれから進めていくという話もしていますので、スバルラインだけを議論するのではなくて、吉田口登山道とか、ほかの登山道も含めて、富士山への五合目へ至るアクセスのあり方というのを全体的に議論していただきたいと思うんですけれども、所見を伺いたいと思います。

 知事政策局次長 ただいま委員御指摘のとおり、麓から吉田口登山道を使って登るのが富士山信仰における本来の登山スタイルでございます。現在、富士吉田市で吉田口登山道の保存管理計画の策定を進めており、県でも協力していくこととしております。今後も富士吉田市と連携して、吉田口登山道からのゆとりある登山を推奨してまいります。

 渡 辺 ぜひ富士山への五合目へのアクセスをどのように県として考えるのか。市や関係団体、山小屋さんとか観光協会、商工会等を交えながら、さまざまな見地からしっかりと検討をしていっていただいて、将来のあるべき姿の富士山というものを一緒に描いていければと思っております。
 電化の話ですが、私としては、富士山は五合目も電気がないので、電化をしていくことについては賛成なんです。ただ、だからといって鉄道ありきではなく、滝沢林道に例えば電線を地中化するということも、一つの方策としては考え得るのかなとも思っていますので、そんな点も含めながら、ぜひとも今後もしっかりといろいろな専門家や地元も含めて検討を進めていっていただきたいと思います。

多文化共生社会推進事業費について

 渡 辺 多文化共生社会推進事業費1,517万円について、何点かお伺いしたいと思います。
 初めに、1のマル新、異文化理解・多文化交流促進事業費についてお伺いしたいと思うんですけれども、ここに事業内容として、交流運動会の開催、何となくこれはわかるんです。移住して来られた、あるいは定住していらっしゃる外国人の方々と自治会とかで運動会をやるというイメージは湧くんですけれども、啓発動画をつくられるとありますが、こちらのイメージが湧かなくて、誰に対して、誰向けの動画で、どのような動画なのか、まずお伺いしたいと思います。

 外国人活躍推進監 まず、対象ですけれども、主に日本人向けのショート動画を制作したいと考えております。内容につきましては、日本人になじみが薄い外国の習慣とか、外国人が日本の生活で困っていることなどを紹介していきたいと考えております。

 渡 辺 日本人向けに外国人の方々のことを知ってもらうということだとは思うんですけれども、そもそもの動画の狙いについては、どのように考えられているのか、お伺いしたいと思います。

 外国人活躍推進監 動画の狙いにつきましては、日本人の異文化理解を促進するというものが大きな動画の狙いです。外国人の受け入れが年々増加しておりまして、今後もますますふえていくことは予想されるんですけれども、日本人の住民側の理解を深めることは極めて重要と認識しておりますので、住民の理解を深めて、多文化共生社会の実現に向けて着実に進めてまいりたいと考えております。

 渡 辺 外国人住民の方の共生というのは、本当に大事なことだと思っていますし、昨今の人手不足だとか、大きな社会問題になってきていますので、よりよく、日本人の方々にも誤解なきように、外国人の方々の文化とか、生活習慣とか知っていただくということは大事だと思います。であればこそ、この動画は広くいろんな方に見ていただかなければならないと思うんですけども、この動画の活用については、どのように考えられているんですか。

 外国人活躍推進監 制作した動画につきましては、現在、多くの方が視聴しているTikTokやユーチューブ等で配信をしたいと考えております。そして、また県のホームページを通じて広く広報を行いまして、制作した動画を見ていただくように誘導をしていきたいと考えております。

 渡 辺 せっかく予算をかけて動画をつくるのですから、また外国人のそういったことを知っていただくために、より多くの人に見ていただけるように広報していっていただければと思います。
 次に、外国人患者受診環境向上モデル事業費というのが77万円で載っていますが、事業内容を見ると多言語電話通訳サービスの導入とあるのですが、通訳で77万円は大分少ないと率直な思いとしてあるんですけれども、多分これを見る限りは、何か病院にかかるときに、言葉がなかなか通じないから、何らかのサービスがあって、通訳してもらえるような形になるのかなという感は受けますけれども、わかりづらいんで、まずこの詳細について伺いたいと思います。

 外国人活躍推進監 この事業につきましては、医療機関における医療従事者と外国人患者の円滑な意思疎通を図るためのモデル事業として位置づけております。
 具体的には、医療機関が外国人患者の診察に当たりまして、県が契約するコールセンター、多言語コールセンターへ電話をかけて、コールセンターの医療通訳者が医療従事者と患者の意思疎通を支援するものでございまして、本予算はコールセンターへの委託に要する経費となっております。

 渡 辺 意外と安価で委託して、そういったことができるコールセンターがあるということなんですね。そうであれば、ぜひ外国人の方々も病気になったりするときに、言語の問題は特に悩みが多いでしょうから積極的にこれも広報していただいて、外国人の定住につなげていっていただきたいと思いますけれども、モデル事業ということは、今後発展的に展開していくんだと思うんですが、今後の事業展開についてお伺いします。

 外国人活躍推進監 まずは、今回のモデル事業を実施する中で、公的病院をメインとして、外国人患者への医療提供にかかわる意思疎通の面の課題等を把握して、その後、全県的に外国人の方が不安なく適切な診療を受けられる受診環境の構築に向けて、今後施策の展開を図っていきたいと考えております。

 渡 辺 ありがとうございました。

電子自治体整備事業費ついて

 渡 辺 電子自治体整備事業費2億5,585万8,000円について、金額も大きいので、何点かお伺いしたいと思います。
 まず、初めに、働き方改革に向けたICTの環境整備事業として、先ほどの説明では、職員が業務システムを開発できる環境を整備するというような説明でしたけれども、まず、こういった予算づけになった背景についてお伺いしたいと思います。

 情報政策課長 業務で使用するシステムは、開発に当たり専門的な知識や技術が必要となりますので、IT企業へ委託して構築してまいりました。しかしながら、委託するためには、予算の確保や入札を行う必要がありまして、相当の期間を要することから、速やかに開発できないという課題があります。例えば、新型コロナウイルス感染症に対応する業務では、感染の急拡大により業務量が急激に増加する中、感染者の情報を効率よく管理するシステムが必要となり、事業者に見積もりや設計を依頼したものの導入までにかなりの時間がかかりました。行政を取り巻く環境は常に変化しており、新型コロナの例に限らず、さまざまな行政分野における状況の変化に柔軟かつ迅速に対応できるよう、現場のニーズに合わせたシステムを、専門知識を必要としないで簡単に開発できる環境が必要となっているためです。

 渡 辺 ソフト自体を開発するというのは、もちろん専門的な知識も要るでしょうし、時間もかかるでしょう。私も含めてですが、普通のワードとかエクセルとかを使っている方だけでは、なかなか業務改善の効率化に資するソフトを開発するというのは、ちょっと想像できないです。そんな中で、この事業内容も見ますと、業務改善ツールの導入という形になっているんですけれども、先ほど説明にも、基本的な知識があれば開発ができるようなツールだとは思いますけれども、このツールについて、もう少し詳しくお伺いしたいと思います。

 情報政策課長 このツールにつきましては、パワーポイントやエクセルを使うような知識があればシステムを開発できる、そんなシステムになります。誰でも簡単につくれるとはいいましても、何も知識のない方がいきなり構築、開発するというわけにはいかないものですから、まず業務システム開発のために必要となるソフトウエアを5年間利用するためのライセンスを調達いたします。その上で庁内の体制づくりをあわせて行うのですが、まず、システムの作成を体験する研修会を開催いたします。また、初めてシステムを開発する際には、わからないことや、うまくいかないことに直面するため、しっかりとサポートして開発を成功に導くための伴走支援などを行います。

 渡 辺 パワーポイントとかの知識があれば、できるようになるという話を今伺っているんですけれども、ちょっと想像がしづらいというか、また、逆にこういったソフトを使って開発していくということ自体、職員の方々に負担になってしまうのではないかと不安も出てくるんです。一般的にはさまざまにカスタマイズされたアプリとかツールとかがあると思うんです。そういった中で比較検討をして、今回こちらの2億5,000円余を投入してされるということなんですけれども、一般的なパッケージ化されたものを使用するのではなくて、そういったカスタマイズできるようなツールを使うということにした率直な理由を伺いたいと思います。

 情報政策課長 委員御指摘のとおり、都道府県の業務を対象としたシステムでありますとか、複雑なものについては、市販システムの利用も考えられます。一方で、市販のシステムは、調達に当たって予算と時間を要することに加えまして、実際の業務に合っていなかったり、不足している機能の追加が必要になることもありまして、現場のニーズに合ったシステムを速やかに導入することができないという一面もあります。そのため、費用対効果でありますとか、緊急性などを踏まえまして、市販のシステムを調達するのか、それとも職員みずからが開発したほうが早いのかを選択することになると考えます。

 渡 辺 基本的に併用しながらやっていくということだと思いますけれども、そもそもの趣旨が働き方改革だと思うんです。これを導入することによって、より業務量がふえてしまったら本末転倒になってしまうと思いますので、その辺はよく精査しながら進めていっていただきたいと思いますけれども、この質問の最後に、改めて、この事業効果はどのようなものがあるのか、伺いたいと思います。

 情報政策課長 まずは、業務委託に必要となる時間と費用を削減できるということに加えまして、業務を熟知している職員みずからが開発することで、現場に合ったシステムを作成することができます。このため、新型コロナのような緊急かつ重大な事案が発生した場合におきましても、速やかにシステムを作成して効率よく業務を行えるようにすることにより、業務継続でありますとか、県民サービスの維持につながるものと考えております。
 また、通常の業務におきましても、さまざまな業務の改善や行政サービスの向上が図られることが期待できると思っております。いずれにしましても、山梨県民総DXに取り組んでいく県といたしましては、行政みずからがデジタルへの適応力を高めまして、より多くの職員が業務の変革を行う環境の整備を進めることにより、施策を推進する庁内の体制強化につなげてまいりたいと思っております。

富士山火山広域避難対策推進事業費について

 渡 辺 防災対策費、富士山火山広域避難対策推進事業費132万円についてお伺いしたいと思います。
 一般質問でもさせていただいたんですけれども、今年は大きな富士山火山防災対策の節目になっていく年で、ハザードマップが改定され、広域避難計画を改め、避難基本計画が策定されて、これから県も市も避難計画がつくられていくということになる中で、今回、マル臨として、啓発動画の制作ということが、ここに載っているわけですけれども、そもそもこの啓発動画は一体どのようなものなのかについて、まず初めに伺いたいと思います。

 富士山火山防災監 啓発動画の内容は、富士山火山避難基本計画を踏まえまして、噴火現象や地形に応じた効果的な避難方法について、一般住民の方々にわかりやすく説明する内容を予定しております。

 渡 辺 一般住民の方々にわかりやすく説明する動画ということですけれども、この動画の活用方法というものはどんなものなのか、具体的に教えていただければと思います。

 富士山火山防災監 行政からの情報は、ややもすると敬遠されがちな文字情報となっております。
 こうした文字情報によらず、一般住民の方の目線に立って、理解していただきやすいよう、視覚的な情報で説明することとしたものでございます。活用に当たりましては、市町村の皆様と連携いたしまして、県や市町村のホームページや地域住民の方々への説明会など、あらゆる機会を捉えて活用していただくことを想定しております。

 渡 辺 コロナも2類から5類へと変化して、住民説明会等もしやすくなってきたと思いますので、まだまだ避難基本計画の内容については、地元の富士北麓はもちろんのこと、県下全域にまだまだどういった変化があったのか、徒歩避難が主軸になったということも含めて知っていただく必要があると思いますので、ぜひ、住民説明会とか、そういった形に活用していただきたいと思うんですけれども、私は最後に、特に若い人たちが、この富士山火山防災対策というものを身近に知っていただき、ふれていただく機会が本当に大事になってくると思います。またその点も含めて、SNSを活用した情報発信等も必要ではないかと考えるわけですけれども、最後に所見を伺いたいと思います。

 富士山火山防災監 委員御指摘のとおりでございます。富士北麓地域以外の市町村や関係機関にも成果品を提供いたしまして、全県的にあらゆる機会を通じて、普及啓発のツールとして活用していただくことを予定しております。このため、行政職員だけでなくて、広く一般の方にも、避難基本計画についてわかりやすく御理解いただけるよう、県市町村のホームページだけでなく、SNSの活用ということで、ユーチューブなどを活用した普及啓発にも取り組んでまいる所存でございます。