山梨県立自然公園条例中改正の件について
渡 辺 まず、地域主体の協議会を設置するという説明がありましたけれども、地域主体の協議会とは一体どのようなものなのか。国立公園のほうも同じだと思いますが、どういったものなのか、まず詳細についてお伺いします。
自然共生推進課長 改正により、宿泊施設やキャンプ場などの利用拠点整備やアクティビティーなど自然体験活動の促進のため、市と町やガイド事業者などの関係者からなる協議会を設置できることとしております。
協議会は、こうした利用拠点の整備や自然体験活動に係る計画を策定することとしておりますが、計画の認可により個々の許認可手続が不要となり、手続が簡素化されるなど、公園の魅力向上に向けた一体的な取り組みの促進を狙いとして設置されるものでございます。
渡 辺 環境省では、これまでは国立公園の保全を軸に取り組みを進めてきましたが、現在は活用して地域に貢献できるような国立公園にしていくという方針を示しています。そういった方針に沿うように、実際に利用する方々がしっかりと保全しながら県立の自然公園を活用できるような方針で協議会を設けていただけるということで、ぜひ、さまざまな意見を聞いて、方向性を検討していただければと思います。
説明にも出てきましたけれども、計画の中で、利用拠点整備改善計画と自然体験活動促進計画の2つの計画の認定に係る制度を創設するとありますが、この2つの計画の具体的な内容についてお伺いします。
自然共生推進課長 利用拠点整備改善計画とは、例えば廃屋の撤去や跡地の活用、景観や標識デザインの統一、電線の地中化等、公園利用のための拠点を整備するための計画です。
それから、自然体験活動促進計画とは、キャンプ、カヌー、ガイドツアーなどの自然体験プログラムの開発・提供、登山道の維持管理など自然を活用した活動を促進するための計画です。
渡 辺 最近、自然体験、アウトドアがムーブメントになっている中で、県内の自然公園に多くのお客さんが来る、あるいは興味を持っていただくことが予想されます。そういった方々に、快適かつ自然を保護しながら使っていただけるような計画をぜひつくっていただいて、公園の魅力向上に努めていただきたいと思います。
次に、説明を伺った内容のところの(3)、(4)で、既存の罰則を厳罰化する傾向が見てとれます。国立公園と同様だと思いますが、まず、(3)の罰則を設ける点で、アの部分に、「野生動物の生態に影響を及ぼし公園利用に支障を及ぼすおそれのある行為を規制する」とあります。これはよくわかりますが、その例として、餌づけが出てきています。そもそも、なぜ餌づけを例示して規制するのか。また、(4)で罰則を強化している理由について、この2点をお伺いします。
自然共生推進課長 餌づけのほうですが、例えば国立公園では、餌づけ等により、野生動物が人になれ、時に危害を及ぼすケースなどの案件が生じ、公園の利用中止の支障が生じているケースが見られることから、人的・物的被害の発生の防止の観点から、餌づけ、つきまといなどについて法により規制することとしたところであり、本県もこうした考えを取り入れ、規制することとしております。
また、罰則のほうですが、委員の御指摘のとおり、改正の趣旨は公園の魅力向上、利用促進の反面で、国では保護と利用との好循環の実現を目指すこととしております。これは、利用面での施策を強化する一方で、野生動物への餌づけの規制や違法伐採など禁止行為の厳しい対処を可能とし、人的被害等の発生防止を図り、より多くの方々が豊かな自然環境を楽しめるよう、公園の保護管理面についても強化しようとするものです。
渡 辺 餌づけについては、子供などが全く悪意がなく餌をあげてしまう。県庁の猫の問題も昨今話題になりましたけれども、餌をあげる方々は全く悪意がないので、そういうことが禁止されていることを周知していただいて、いらした方が趣旨を理解していただき、公園を活用していただければと思います。
最後に、条例を改正し、協議会をつくり、計画をつくり、公園を保全しながら、活用の方針を定めていく中で、県として具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。
自然共生推進課長 この制度は、地域の主体的な取り組みを促す仕組みの創設で、実施主体は、基本的に関係する市と町、事業者等になります。県としても、関係部署や市と町の担当者への制度改正に係る説明会の開催やホームページ上での国立公園などでの先進事例の紹介、制度の周知など、必要な支援、周知に努めてまいりたいと考えております。
ナラ枯れ被害木除去事業費について
渡 辺 林の11ページの森林保護費のうち、臨時事業ナラ枯れ被害木除去事業費についてお伺いします。まず、中身に入る前に、林の2ページ、一般会計のところにも同じ金額の同じ事業名が記載されていますが、恩賜県有財産特別会計にも載っています。先ほど説明の中で、一般会計から恩賜県有財産特別会計に助成するという説明がありましたが、そもそもどういうことなのか、詳細な説明をお願いします。
森林政策課長 県有林課の恩賜県有財産特別会計で実施するナラ枯れ被害木除去事業は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して実施するものでございます。
この交付金につきましては、交付を受ける自治体において、特別会計で事業を実施する場合は、一般会計で受け入れることが国から示されております。このことから、当該事業を恩賜県有財産特別会計で実施するに当たっては、一旦、一般会計で受け入れ、恩賜県有財産特別会計へ助成するという形を取らせていただいております。
県有林課長 今、森林政策課長から申し上げましたとおり、一般会計のほうで国補を受け入れて、県有林の造林事業でございますので、実際は恩賜県有財産特別会計で行いますので、そちらで実施をするために、両方の説明書に載っているということでございます。
渡 辺 ありがとうございました。国の仕組みがよくわかりました。
コロナの対策費をナラ枯れ対策の費用に使えるとのことで、私も本会議の一般質問で質問をさせていただきましたが、ナラ枯れ被害が令和2年、3年と富士北麓でも拡大してきて、夏場の青々とした山が一部赤茶けたような形になっている。夏の山なのに紅葉しているように見えてしまって景観がミスマッチ、それは紅葉ではなくナラ枯れ被害によるものだとのことで、地元の森林組合も心配しているので、対策をぜひ進めていただきたいと思います。
私が一般質問させていただいたときは、富士北麓地域もナラ枯れ被害が出ていますが、それ以外の身延町などの峡南地域にも被害が広がっているという答弁があったと思います。山中湖周辺に予算づけをしていただいて、地元の私としてはありがたいですが、なぜ山中湖が選ばれたのか、お伺いします。
県有林課長 山中湖周辺は東京から近く、森林浴等を手軽に楽しめる場所として県内外から多くの観光客が訪れております。
そうした中、山中湖村ではナラ枯れの被害が非常に拡大をし、防除後の枯れたナラの木が立ったまま残っている状況で、それが数多く残っており、湖や富士山の美しい自然景観、また、樹木による建物や人的被害のおそれがあります。多くのお客さんがいらっしゃる山中湖周辺とナラ枯れ被害が重なっている部分があるため、山中湖周辺でナラ枯れ被害の被害木の伐採を実施することとしました。
渡 辺 ナラ枯れは、原因となっている虫がいて、その虫がつくことによってナラ枯れになってしまう。ただ、その虫を除去するための予算措置もしていただいて、何とかその虫は退治することができたという話も聞きました。説明にありましたとおり、山中湖は、別荘地周辺に被害が及んでいることもあり、虫はいないんですけれども、そのまま枯れたまま立木が残っている状況が散見されますので、それを除去していただけることは大変ありがたいです。ぜひ積極的に、まだまだ多数ナラ枯れ被害箇所がありますので引き続き進めていただければと思います。
たしかそのとき、木自体は、虫がいなくなれば全く材料として使えなくなるわけではないという話を聞いた気がします。そもそも伐採して木として処分するのに産廃として出さなければならず、処分費がかかってしまうと思いますが、木を売り物として使えるのであれば、そういった活用方法も検討したほうがいいと思いますが、伐採した木の処分方法についてお伺いします。
県有林課長 ナラの枯れた木、広葉樹は、バイオマス燃料や紙のパルプ、肥料といったニーズがあると聞いております。 県としても、伐採した後の木につきまして、売払いを行い、恩賜県有財産特別会計の収入として有効に活用していきたいと考えています。
県有林の貸し付けについて
渡 辺 私も減免とか95件の話ではなく、全般的な話で県有林課に何点かお伺いします。
まず、森林総合利用協議会についてお伺いします。ホームページで公開されているとおり、県有林の総合的な視点に立って利用することにより、豊かで潤いに満ちた森林社会の創造に資するために、平成9年に設置されたと承知しております。
現在、ホームページを見ますと、第9期の委員名簿が載っているわけですけれども、任期が令和3年11月で切れています。現在の森林総合利用協議会はどのようになっているのか、伺います。
県有林課長 森林総合利用協議会につきましては、令和元年が最後の開催になっておりまして、去年の11月で任期が終わったわけですが、次に開催するときには、その前に募集をかけまして、準備を進めていくという考えでおります。
渡 辺 開催するときに改めて委員を任命するということでわかりました。そもそもこれは県有林の貸付賃料契約更新と、契約内容について専門家の立場から意見を伺う、諮問をして答申を受けるという、そういう協議体であることは承知をしています。昨今、さまざまな形で、県有林の賃貸借契約について議論がある中で、そのためにつくられた節もある協議会ですので、積極的に有効活用していただきたいと思います。今、課長の説明にもあったとおり、また、ホームページでも公開されているとおり、開催は令和元年が最後になっています。第20回開催が最後になっています。それ以前はどうだったかというと、ほぼ毎年のように1回もしくは2回、具体的に申し上げますと平成26年は1回、平成27年は1回、平成28年は3回、平成29年は開催されず、平成30年は1回、令和元年は1回と、こういった形で定期的に開催されております。近年は開催されていません。どういう事情で開催されていないのですか。
県有林課長 まず、この森林総合利用協議会ですが、メンバーは、それぞれ森林環境教育とか自然環境の専門家、観光協会、不動産鑑定士、弁護士、市町村関係者の方、いろいろな県有林の利活用に関するさまざまな識者で構成されています。その位置づけとして諮問・答申というよりは、専門家の方々に意見を伺う場という位置づけでございます。
基本的に、森林総合利用協議会でございますので、県有林の利活用がそもそものところにあって、その中の一つとして、貸し付けもテーマの一つとなっている。平成の初期ごろは森林の高度活用とかが議論としてありましたから、そのテーマが多かったのですが、近年は減ってきて、貸し付けのほうが主な議題になっています。この審議会の中で、貸し付けに関する取り扱い基準の話し合いがなされて整理をされておりまして、そのときに新規の貸し付けにつきましては1ヘクタール以上、継続の貸し付けにつきましては、その契約が満期で終わる、更新するそのタイミングで、かつ5ヘクタール以上の場合、なおかつ民間の事業者が行うもので森林以外に開発するものをこの協議会で取り上げましょうという整理がされております。令和元年までは大きな貸し付けがちょうど更新のタイミングに当たる年がありましたが、令和元年度以降はこの基準に達するものがないので開催がされていない状況でございます。
渡 辺 森林総合利用協議会は、弁護士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、地元の方々、市町村長さんたちも入っていたこともあって、有識者の意見が聞かれていることが、議事録を見ているとよくわかります。私は、積極的に開催していただきたいと思いますが、基準があるとすればいいんですが、不自然さを感じるところはやっぱりあります。これまでずっと開催されてきたのに、ここ3年間ぐらい開催できていない。できていないのではなく、開催してないという状況がどのようなものなのか、疑問に思うところです。
森林の高度活用は、平成の初期のほうは確かにそうだったかもしれませんが、私の記憶が確かなら、新規の貸し付けは平成3年以降、多分ないという記憶があります。議事録にもあるとおり、内容は、既存の貸し付けの更新や賃料のことが主に話されています。
せっかくある協議会で、今まで果たしてきた役割も十分にあると思いますので、今後も開催していただきたいと思います。
結果的にですが、なにゆえ、数年間空いてしまったのか。新たな委員を選任してということですが、今後、また更新の時期があると思います。第9期が終わって、恐らく第10期が開催される目安があろうかと思いますが、それは大体いつごろになるか、お伺いしたいと思います。
県有林課長 今、明確にいつというところは、まだはっきりと決めておりませんけれども、森林総合利用協議会の本来の筋で言うと、県有林の高度活用について御意見を頂戴することがベースになるので、今後、県有林の高度活用、利活用の検討をしていく方向ですので、そういった際に、将来に向けて施策をつくるとか、そういったところで意見を頂戴していきたいと思っております。
渡 辺 積極的に御活用いただきたいというお願いをして、今後の推移を見守っていきたいと思います。いずれ、必ず既存の貸し付けで5ヘクタール以上の更新の時期が来るので、そのタイミングで開催されるのであれば、それを注視していきたいと思っております。
次に、県有資産の所在市町村交付金についてお伺いします。当初予算のときに、本年度の所在市町村交付金は2億6,500万円余で、その前の年は1億2,300万円余ということで、倍増しているところであります。もちろん、重大な誤りがあって算定方法が変わったからでありますが、所在市町村交付金の交付の金額の決定にも大きな影響を及ぼしていることは御承知のとおりだと思います。
そもそも、所在市町村交付金については、賃貸人の方から受け取る賃料の一部、いわゆる賃料は純賃料と所在市町村交付金の2つによって成り立っていますので、そもそも賃借人の方から賃料をいただかなくては、入りの部分がなくなると思っております。
それで、純賃料の部分は、いわゆる収入が見込める部分を予算計上したという話を伺いました。この所在市町村交付金の2億6,500万円余には、純賃料と比べて全てですよね。それとも純賃料のように入ってくる収入見込みのある部分だけを計上しているのか、どちらでしょうか。
県有林課長 委員おっしゃいますとおり、純賃料の分については見込みがあるものを計上したのですが、所在市町村交付金については出ていくものですので、満額を計上しています。
渡 辺 もう一つ確認ですけれども、純賃料の部分は、いわば減免措置や激変緩和措置があります。しかしながら、所在市町村交付金は法に定められていますので、そういった減額措置あるいは免除措置はないという認識でよろしいか、伺います。
県有林課長 委員おっしゃるとおりでございます。
渡 辺 ということは、基本的には、純賃料の部分ではなくて、いわゆる所在市町村交付金が倍近くになっていますから、それはそのままそっくり賃借人の方に跳ね返るわけで、その部分で、契約の更新、賃料改定の合意が難航するケースもあるのではないかなと危惧しているところです。
一方で、訴訟対象地を含めた全ての県有林ですから、当然訴訟で争っている部分の賃料収入はないと承知しております。
そうすると、賃借人からの賃料がない中で、所在市町村交付金は交付していく。入りがないのに出る部分がありますが、出ていく部分の財源はどういうものを使っているのですか。
県有林課長 県から支払う、出の部分につきましては、恩賜県有財産特別会計の繰越金から拠出しております。
渡 辺 繰越金が無限にあるわけではないと思いますので、訴訟が長期化する、あるいは訴訟対象地以外にも合意できていない県有林の貸付地があったとすれば、それは入ってこなくなりますので、恩賜県有財産特別会計の財政事情が心配になります。その前提として、担いただくことになりますので、丁寧に説明して合意を得ていく必要があります。同時に、訴訟の結果によってはどうなるか不確定な部分もあろうかと思います。そういうところも含めて、巻き込まれてしまった他の県有林の賃借人の方に、混乱や誤解等迷惑がかからないように、丁寧に説明して、合意を得るプロセスを踏んでいただきたいと思っております。
ちなみに、先ほど令和3年度の請求書を送ったとのことで、令和4年度もという話もありますけれども、訴訟対象地にも納付書は送られているのですか。
県有林課長 山中湖の件だと思いますが、そこにつきましては契約自体が違法・無効という考えでございますので、県から賃料の請求はしてはおりません。
渡 辺 ということは、そこの部分についての所在市町村交付金は入ってこないという理解になると思います。ほかのところも、合意が得られてなければ、そもそも賃料を御負担いただくことができないと思いますが、それについては、請求しないから入ってこないんですけども、請求しないという県の立場もある中で、将来的には納付していただくと思いますが、そういう部分で延滞とかそういった上乗せの金額はついたりするのですか。
県有林課長 合意をいただけていない方は、契約がないので、県から請求しておりません。延滞金等の発生はしないことになります。
渡 辺 わかりました。所在市町村交付金の交付を受ける市町村にとっては増額されることは歓迎すべきことと内心受けとめられているかと思います。一方で、それを実質的に負担する賃借人の方々にとっては、やはり戸惑いや不満はあろうかと思います。繰り返しになりますけれども、よく説明して真の合意を得ていただきたいと思います。
最後に、県有林の貸し付けにおける賃料の算定方法が変わったことによって、さまざまな県有林の貸し付けにおいて、賃借人と交渉していると思います。その数、減免や激変緩和措置のないところも全部含めて恐らく500数十件。そうは言っても、令和3年分なわけですよね。全体は今どういう状況になっているのですか。減免とか関係なく、賃料の更新についての全体像の進捗状況は、どのような状況になっているのですか。
県有林課長 全体で今回の料金改定の対象になるのは、574件あるわけですが、進捗、つまり、どのくらい同意をもらえているのかという質問だと理解をしていますけれども、まだ交渉中のものもございますので、件数をはっきりと申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。ただ、全体像で申し上げると、ぼんやりの答弁になってしまいますが、残り件数はごく僅かと言えるレベルのところにあります。
通勤通学路等自転車走行環境整備事業費について
渡 辺 県土の2ページ、道路整備推進費のうち、通勤通学路等自転車走行環境整備事業費について何点かお伺いします。
説明の中で一昨年に予算化されてという話も伺いました。記憶では1億円ぐらいだったと思いますが、今回またこういった形で記載されていますので、改めてこの事業の目的について伺います。
道路整備課長補佐 県では、「サイクル王国やまなし」の実現を目指しまして、令和元年に山梨県自転車活用推進計画を策定しました。この計画を受けまして、令和3年に具体的な整備計画を定めた自転車走行環境整備計画を策定したところです。
この計画では、約50キロメートルの区間で整備を行うこととしております。本事業は、この計画に基づきまして、安全で快適な自転車の走行環境を整備することによって、通勤・通学時の自転車の利用を促すことを目的としております。
なお、補助率100%の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が創設されたことから、この交付金を活用することとしております。
渡 辺 補助率100%の臨時交付金を使ってやっていただけることは実にありがたいことで、コロナ禍で自転車通勤・通学する方がふえてきているとの報道もあります。
また、私の地元の富士北麓地域はそうでもないですが、甲府を中心とした地域は昔から通勤も通学も、特に通学で、自転車で中学校や高校に通うことの多い地域ですので、安全対策をぜひしっかり行っていただきたい中で、そういった臨時交付金を活用してこういう事業をしていただけることは大変ありがたいことであります。
その中で、具体的な整備として、先ほど説明の中で矢羽根、ピクトグラムを整備していくとのことですが、具体的にどのようなものをつくっていくのか、詳細な説明をお伺いしたいと思います。
道路整備課長補佐 整備の内容ですけれども、自転車の進行方向を示すとともに、自転車と自動車の双方に自転車の走行空間を明示するため、車道の路肩部分に、青色の矢羽根型をした路面表示を行います。それにあわせて、自転車のピクトグラムを設置することとしております。
渡 辺 富士北麓地域では、自転車ロードレースが開催されたこともあって、ブルーラインや矢羽根などが周知されていますが、甲府市内ではなかなかそういう整備がなされてこなかったので、どういったものが整備されていくのかを知らない方もいらっしゃって、いつの間にか線が引かれているということを聞くこともあります。車で走っている人に、ここは自転車が通る道だということを周知してもらうために、周知活動にも力を入れてもらいたいと思いますけれど、具体的な整備箇所についてお伺いします。
道路整備課長補佐 県では、これまでに約10キロメートルの整備を行っております。委員の御指摘のとおり、学校の近くをメインにしております。
今年度は、甲府西高校付近のアルプス通りと、山梨大学附属中学校付近の県道の天神平甲府線、甲府東高校付近の城東バイパスと和戸通り、山梨学院高校付近の城東通りと県道甲府韮崎線の6カ所、合計8キロメートルで整備を行う予定であります。
渡 辺 特に学校周り等を優先的に整備していただけることは大変ありがたいと思います。子供の自転車の安全対策は大変重要で、車に乗っていれば中学生や高校生が自転車に乗っていて、ひやっとする場面を1度や2度経験したことのある人が多いと思いますので、学校を中心に、そして行く行くは全体的に周知が広まるように整備を進めていっていただきたいと思います。
こういった整備事業は、どうやって検証していくかが実に難しいと思いますが、その整備効果の検証をどのようにお考えになられているのか、伺いたいと思います。
道路整備課長補佐 整備効果としましては、自転車の交通量の変化がございます。国道411号の岡島百貨店東におきまして、自転車の交通量の調査をしたところ、設置前と比べて14%ふえたことが確認できました。
また、整備後にはアンケートも行いましたので、寄せられた声を御紹介させていただきたいと思います。
例えば、「自転車からの幅寄せやクラクションを鳴らされて怖い思いをしていたが、矢羽根のおかげで安全に通行できるようになった」、「歩道を走っていた自動車が車道を走るようになり、安心して歩けるようになった」などの声が上がっております。
一方、先ほど御指摘のあったとおり、「矢羽根を自転車で踏んでいいのか」、「規制表示なのか」、「設置する目的は何なのか」などの声もありました。
今後は、交通ルールどおり左側通行が徹底されているとか、これまで歩道を通っていた自転車が車道へ転換した割合がふえたとか、そのような検証も行いまして、この事業の効果を検証してまいりたいと考えております。
渡 辺 「サイクル王国やまなし」を目指し、自転車を活用した観光振興、地域の活性化をするに当たって、やっぱり安全対策が大前提になってくると思います。特に学校周りあるいは子供たちの通勤・通学の道はしっかり整備していただいて、かつまだまだ私たちの地元の富士北麓地域はロードレースの関係もあって、ある程度周知されて認知されていても、甲府市内ではまだ認知されていないことが多いように聞いておりますので、こういった表示がどんなものなのか、そしてどういった意図でつくられているのか、広報活動もしっかりしていただいて、整備を進めていっていただきたいと思います。
最後に、整備計画全体の50キロメートルのうち、現在10数キロメートル整備されて、まだ多くの未整備区間があると思いますが、今後、そういった目的や整備内容の周知も含めてどのように取り組んでいくのか、お伺いします。
道路整備課長補佐 整備につきましては、本交付金をはじめとした国の補助を最大限活用しまして、県内の自転車利用促進を図ってまいりたいと考えております。
また、周知につきましては、県のホームページに矢羽根型路面標表示の設置目的などを説明したチラシを掲載しております。さらに、交通管理者と連携をいたしまして、運転免許の更新の際や中高生の自転車安全教育の際に周知をしていきたいと考えております。